人的資本経営

1on1ツールおすすめ10選!機能や選び方を徹底比較して形骸化を防ぐ

「部下の成長のため」と意気込んで導入したものの、いつの間にか形骸化してしまっている1on1ミーティング。多くの企業で、「上司によって面談の質がバラバラ」「結局、ただの進捗報告会になっている」「話した内容が記録されず、次に活かされない」といった課題が聞かれます。

もし、あなたの会社も同様の悩みを抱えているなら、その解決策は「1on1ツール」の導入かもしれません。1on1ツールは、テクノロジーの力で対話の質を高め、煩雑な運用管理を効率化し、ミーティングの効果を最大化するための支援システムです。この記事では、数ある1on1ツールの中からおすすめの10選を徹底比較し、自社の課題を解決する最適なツールの選び方を解説します。


1on1ツールとは?導入で変わるミーティング

1on1ツールとは、上司と部下が行う1on1ミーティングの質を向上させ、その運用を効率化するために設計されたITシステムです。Excelやスプレッドシートでのアナログな管理から脱却し、ミーティングの事前準備、実施、記録、そしてデータの活用までを一気通貫でサポートします。

ツールを導入することで、単なる「面談」が、従業員のエンゲージメントを高め、組織全体の成長を加速させる「戦略的な対話」へと進化します。

なぜ今1on1ツールが必要なのか?よくある課題

多くの企業が1on1の運用でつまずいています。ツールが、具体的にどのような課題を解決してくれるのかを見ていきましょう。

上司のスキル不足で面談の質が低い

「何を話せばいいか分からない」「部下の本音を引き出せない」。多くの上司が、1on1の進め方に悩んでいます。その結果、ただの業務報告や一方的なアドバイスに終始し、部下の成長支援という本来の目的を果たせていません。

話すことがなく形骸化している

部下側からも「特に話すことがない」「毎回同じ話の繰り返しで気まずい」といった声が聞かれます。アジェンダが毎回曖昧なまま始まってしまい、当たり障りのない会話だけで時間が過ぎていく。これでは、従業員の貴重な時間を奪うだけの「意味のない定例会議」と化してしまいます。

記録が煩雑で内容を活用できない

1on1の内容をExcelやドキュメントで個別に管理していると、過去の対話履歴を振り返るのが非常に困難です。「前回、どんな話をしたんだっけ?」と毎回リセットされてしまい、会話が深まっていきません。また、記録が属人化するため、上司の異動時に重要な情報が引き継がれないという問題も発生します。

人事部門が実施状況を把握できない

人事部門としては、全社で1on1が適切に実施されているか、どのような対話が行われているかを把握したいところです。しかし、アナログな管理では、実施率や内容を可視化することができず、制度が有効に機能しているかを評価できません。

1on1ツールの主な機能

1on1ツールは、これらの課題を解決するために、多彩な機能を搭載しています。



機能分類

具体的な機能内容

解決できる課題

準備支援

・アジェンダテンプレートの提供

・トークテーマ(議題)のサジェスト

・話すことがない

・会話の質のばらつき

記録・管理

・面談記録のオンライン入力

・過去の対話履歴の時系列表示

・ToDo(ネクストアクション)管理

・記録の煩雑さ

・会話の積み重ねができない

データ活用

・従業員のスキル、評価、キャリアプラン等の一元管理

・1on1記録との連携

・人事情報の分断

・戦略的な人材育成

コンディション把握

・パルスサーベイ(簡単なアンケート)機能

・モチベーションや体調の変化を可視化

・部下の本音が見えない

・離職予兆の早期発見

アジェンダ・トークテーマ設定支援機能

多くのツールには、1on1で話すべきテーマのテンプレートや、部下の状況に応じたトークテーマのサジェスト機能が備わっています。これにより、上司は質の高い対話のフレームワークを手に入れることができ、部下も事前に話したいことを整理しやすくなります。

記録・共有機能

クラウド上で1on1の会話履歴を一元的に記録・管理できます。過去の面談内容を時系列で簡単に振り返ることができるため、部下の成長や変化を踏まえた、継続性のある対話が可能になります。上司と部下の間で記録を共有することで、認識のズレを防ぐ効果もあります。

タレントマネジメント連携機能

従業員のスキルや経歴、評価、キャリアプランといった人事情報(タレントデータ)と、1on1の記録を連携させることができます。これにより、上司は部下の情報を多角的に理解した上で面談に臨むことができ、よりパーソナライズされたキャリア支援が可能になります。

コンディション把握機能

「最近、元気がないな」といった部下の些細な変化に気づくための機能です。パルスサーベイと呼ばれる簡単なアンケートを定期的に実施し、従業員のモチベーションやエンゲージメント、心身のコンディションを可視化します。このデータを基に1on1で適切な声かけを行うことで、離職防止にも繋がります。

【比較表】おすすめの1on1ツール10選

市場には数多くの1on1ツールが存在します。ここでは、代表的な10個のツールをピックアップし、その特徴を比較しました。



ツール名

特徴

こんな企業におすすめ

PHONEAPPLI

1on1直前のコンディション(体調・モチベーション等)入力や話題選択機能を搭載。リアルタイムで発話量をグラフ表示し、上司の傾聴(発話比率3:7)を促すことで対話の質を高める。

リモートワーク下でメンバーの状態を正確に把握し、マネージャーの傾聴スキルを向上させて質の高い1on1を徹底したい企業

Kakeai

AIが上司と部下の最適な組み合わせを提案。話しやすさを科学する。

上司と部下の相性に課題を感じている企業

HRBrain

タレントマネジメント機能が充実。評価制度との連携がスムーズ。

人事評価と1on1を連動させ、戦略的な人材育成を目指す企業

カオナビ

顔写真付きのインターフェースが直感的。人材データベースとしての機能が豊富。

まずは社員の顔と名前を一致させ、組織を可視化したい企業

Wistant

目標管理(OKR)と1on1の連携に強み。アジャイルな組織運営を支援。

変化の速いIT・スタートアップ企業

TeamUp

1on1の記録と共有に特化したシンプル設計。導入しやすい価格帯。

まずは手軽に1on1の記録・管理から始めたい中小企業

Co:TEAM

称賛や感謝のコメントを送り合う機能と1on1を組み合わせ、日々のやり取りを振り返ることでエンゲージメント向上に繋げる。

単なる面談管理だけでなく、組織文化の醸成からアプローチしたい企業

jinjer

勤怠管理や経費精算など、他の人事労務機能とシリーズで連携可能。

人事労務システムをまとめてDX化したい企業

Unipos

ピアボーナスが主機能だが、感謝の言葉をきっかけにした1on1を促す。

心理的安全性の高い組織文化を作りたい企業

wevox

エンゲージメントサーベイが強み。データに基づいた対話を支援。

データドリブンな組織開発や人材育成を目指す企業

この比較表からも分かるように、各ツールは異なる強みを持っています。各ツールの詳細な機能や特徴について、より詳しく解説していきます。

自社開発した「リモート1on1」ツール(PHONEAPPLI)

PHONEAPPLIが提供するウェルビーイング経営支援ツールは、リモートワーク環境下での質の高い1on1を実現するための機能が充実しています。1on1の開始直前に、メンバーが体調・仕事量・モチベーションといったコンディションを簡単な操作で回答。これにより、マネージャーは相手の最新の状態を把握した上で、パーソナライズされた対話を開始できます。

また、ミーティング中はマネージャーとメンバーの発話量をリアルタイムでグラフ表示し、上司の「傾聴」を促します。上司と部下の発話量が「30%:70%」という理想的なバランスになるよう意識づけることで、部下が話しやすい雰囲気を作り、本音を引き出す手助けをします。

Kakeai

株式会社Kakeaiが提供する「Kakeai」は、AIを活用して上司と部下の対話の質を高めることに特化した1on1ツールです。最大の特徴は、複数の特許やAI・テクノロジー、数十万人のユーザーデータを活用して、1on1にかかる負担を減らしつつ質の高いコミュニケーションを支援する点です。

参考:Kakeai(カケアイ)|全ての1on1を進化させる

HRBrain

株式会社HRBrainが提供する「HRBrain」は、1on1の記録・管理機能に加え、人事評価やタレントマネジメントまでを一気通貫で支援するプラットフォームです。1on1の内容が人事評価の透明性向上に寄与し、人事評価の納得感を高め、戦略的な人材育成を実現したい企業に適しています。

参考:1on1ミーティング|HRBrain

カオナビ

株式会社カオナビが提供する「カオナビ」は、社員の顔写真が並ぶ直感的なインターフェースが特徴のタレントマネジメントシステムです。1on1の記録機能もあり、社員のスキル、経歴、評価、個性といったあらゆる情報を顔写真に紐づけて一元管理できます。社員の顔と名前が一致しない規模の企業でも、個々の特性を理解した上でのコミュニケーションを促進します。

参考:1on1・面談記録|人材育成・研修|機能・使い方|カオナビ【シェアNo.1】社員の個性・才能を発掘し、戦略人事を加速させるタレントマネジメントシステム

Wistant

株式会社フルートが提供する「Wistant」は、目標管理フレームワークであるOKRと1on1の連携に強みを持つツールです。OKRの進捗状況を踏まえた上で1on1のアジェンダを設定できるため、目標達成に向けた具体的で質の高い対話が可能です。変化の速い環境で、アジャイルな目標管理と人材育成を両立させたい幅広い組織に適しています。

参考:Wistant(ウィスタント)|人材の育成・定着を実現するピープルマネジメントの実行支援ツール

TeamUp

チームアップ株式会社が提供する「TeamUp」は、1on1ミーティングの記録と共有機能に特化した、シンプルで使いやすいツールです。多機能ではありませんが、その分、誰でも直感的に操作できる分かりやすさが魅力です。

まずはExcelやスプレッドシートでの管理から脱却し、手軽に1on1の運用を効率化したいと考えている中小企業にとって、導入しやすい選択肢となるでしょう。

参考:クラウド1on1ツールTeamUp[チームアップ]

Co:TEAM

株式会社O:が提供する「Co:TEAM(コチーム)」は、称賛や感謝のコメントを送り合う機能と1on1を組み合わせたユニークなツールです。日々のポジティブなやり取りを1on1の場で振り返ることで、自己肯定感を高め、エンゲージメント向上につなげます。単なる面談管理だけでなく、組織文化の醸成からアプローチしたい企業におすすめです。

参考:Co:TEAMとは?評判・口コミや料金について|SaaS比較サイト|SheepDog

jinjer

jinjer株式会社が提供する「jinjer」は、人事管理から勤怠、給与計算、経費精算まで、バックオフィス業務を幅広くカバーするクラウド型人事労務システムです。ただし、jinjerシリーズには独立した「1on1機能」は提供されていません。

参考:事業・サービス|jinjer株式会社

Unipos

Unipos株式会社が提供する「Unipos」は、感謝の言葉とピアボーナスを送り合うことで、組織内の良い行動を最大化し、カルチャー変革を実現することを主目的としたツールです。1on1は主機能ではありませんが、「投稿された感謝の言葉」をきっかけに対話を始めるなど、ポジティブなコミュニケーションを起点とした1on1を促します。風通しの良い組織文化を作りたい企業に適しています。

参考:Uniposの機能一覧と機能ごとの評価を紹介!【ITreview】IT製品のレビュー・比較サイト

wevox

株式会社アトラエが提供する「wevox」は、エンゲージメントサーベイを基盤とした組織改善プラットフォームです。高頻度のサーベイによって従業員のエンゲージメント状態を可視化し、そのデータ(強み・弱み)を基にした1on1のテーマ設定を支援します。勘や経験だけに頼らない、データドリブンな対話と組織開発を実現したい企業に最適なツールです。

参考:Wevox|組織力向上プラットフォーム【Wevox(ウィボックス)】

1on1ツールの選び方3つのポイント

1on1ツールの選び方3つのポイント

多様なツールの中から、自社に最適なものを選ぶためには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。

自社の課題解決に必要な機能があるか

「上司のスキル不足」「記録管理の煩雑さ」「エンゲージメントの低下」など、自社が抱える最も大きな課題は何でしょうか。まずはその課題を明確にし、それを解決するために必要な機能(例:アジェンダ支援、タレントマネジメント連携、サーベイ機能など)が搭載されているかを基準に選びましょう。多機能なツールが必ずしも最適とは限りません。

誰でも使いやすい操作性か

ツールは、人事担当者だけでなく、現場の管理職や一般社員など、ITリテラシーが様々な従業員が利用します。誰にとっても直感的で分かりやすいインターフェースであることは、ツールが社内に定着するための絶対条件です。無料トライアルなどを活用し、実際の画面の使いやすさを複数の社員で確認することをお勧めします。

既存の人事システムと連携できるか

すでに利用している勤怠管理システムや給与計算ソフト、タレントマネジメントシステムなどがあれば、それらのシステムとデータ連携が可能かどうかも重要な選定ポイントです。連携できれば、従業員情報を二重に入力する手間が省け、よりスムーズな運用が実現します。

1on1ツール導入のメリット

1on1ツール導入のメリット

改めて、1on1ツールを導入することで企業が得られるメリットを整理します。

1on1の質の向上と標準化

1on1ツールには、対話の質を高めるためのアジェンダテンプレートやトークテーマのサジェスト機能が備わっています。これにより、面談スキルに不安のある上司でも、質の高い対話を進めやすくなります。上司個人のスキルに依存せず、全社的に1on1の質を底上げし、標準化できる点は大きなメリットです。

従業員エンゲージメントの向上

ツールを活用することで、キャリアやプライベートの悩みといった、普段の業務報告では話しにくいテーマも扱いやすくなります。部下は、自分の成長やキャリアについて考える機会が増え、会社が自分に関心を持ってくれていると感じるようになります。これが結果として、仕事へのモチベーションや会社への帰属意識(エンゲージメント)の向上に繋がります。

離職率の低下

多くの1on1ツールには、パルスサーベイなど、従業員のコンディションを可視化する機能が搭載されています。上司は、部下のモチベーションの低下や心身の不調といった変化に早期に気づき、1on1で適切な声かけやフォローを行うことができます。問題が深刻化する前に対処できるため、優秀な人材の離職率低下に貢献します。

人事データの蓄積と活用

Excelなどで属人化しがちだった1on1の対話履歴が、ツール上に網羅的に蓄積されます。これらの記録は、個人の成長の軌跡であると同時に、会社にとっての貴重な人事データという資産になります。客観的なデータに基づいて、個々の従業員に最適な人材配置や育成計画を立案するなど、戦略的なタレントマネジメントを実現することが可能になります。

管理部門の工数削減

「1on1はちゃんと実施されているのか?」といった実施状況の確認や集計、未実施者へのリマインドなどを、ツールが自動化してくれます。これにより、これまでアナログな管理にかけていた人事部門や管理部門の工数が大幅に削減されます。担当者は、より戦略的な人事施策の企画・実行に時間を使えるようになります。

まとめ:ツールを活用し質の高い1on1を実現

1on1ミーティングは、正しく運用すれば、従業員の成長と組織の活性化を促す強力なエンジンとなります。もし現在、その運用に課題を感じているのであれば、1on1ツールはその解決を力強くサポートしてくれるはずです。

今回ご紹介した選び方のポイントを参考に、自社の課題に最もフィットするツールを検討してみてください。テクノロジーを賢く活用し、形骸化した会議を、未来を創造する価値ある対話の時間へと変革させましょう。

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