1on1で話すことがない!気まずい沈黙をなくすテーマ集と事前準備のコツ
上司との1on1ミーティングを前に、「今週は何を話そう...」と頭を抱えていませんか?特に大きな問題もなければ、キャリアについて壮大な悩みを抱えているわけでもない。そんな時、上司と二人きりの30分間は、気まずい沈黙が支配する苦痛な時間になりがちです。
「話すことがない」という悩みは、実は多くのビジネスパーソンが抱える共通の課題です。それは、あなたの意欲が低いからでも、考えていないからでもありません。
この記事では、なぜ1on1で話すことがなくなってしまうのか、その原因を探るとともに、気まずい時間を解消し、自分にとって有意義な機会に変えるための具体的なテーマ集と、今日から実践できるコツをご紹介します。
【この記事でわかること】
「1on1で話すことがない」と悩むのはなぜ?
そもそも、なぜ私たちは「話すことがない」という状況に陥ってしまうのでしょうか。その背景には、いくつかの共通した原因が考えられます。
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原因の分類 |
具体的な状況 |
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ポジティブな原因 |
業務が順調で、人間関係にも恵まれており、本当に悩みがない。 |
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ネガティブな原因 |
上司を信頼できず、本音を話す気になれない。何を言っても無駄だと感じている。 |
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構造的な原因 |
1on1が単なる進捗報告の場になっており、雑談や相談をする雰囲気ではない。 |
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認識のズレ |
1on1の目的が分からず、「何か特別なことを話さなければ」と気負いすぎている。 |
特に大きな悩みや課題がない
まず考えられるのは、仕事が順調で、人間関係にも恵まれ、本当に「話すほどの悩みがない」というポジティブなケースです。これは素晴らしいことですが、一方で「何か話さなければならない」というプレッシャーを感じ、かえって1on1を苦痛に感じてしまう原因にもなります。
上司との信頼関係が築けていない
「こんなことを相談したら、評価が下がるのではないか」「弱みを見せたら、後で何を言われるか分からない」。上司に対して心理的安全性を感じられない場合、本音で話すことはできません。当たり障りのない業務の話に終始してしまい、結果的に「話すことがない」状態に陥ります。
1on1がただの業務報告会になっている
1on1が、本来の目的である「対話」ではなく、単なる「業務の進捗確認」の場になってしまっているケースです。上司が聞きたいことだけを聞き、部下はそれに応えるだけ。これでは、普段の報告・連絡・相談と何ら変わりません。部下が自分の考えやキャリアについて話す余地がなく、すぐに話題が尽きてしまいます。
そもそも1on1の目的を理解していない
会社から「1on1をやりなさい」と言われ、何となく始めてはみたものの、上司も部下もその本当の目的を理解していない。このような場合、1on1は目的のない雑談か、気まずい沈黙の時間になりがちです。「何か特別な課題や壮大なキャリアプランを話さなければ」と構えてしまい、気軽に話せなくなっている可能性もあります。
1on1は部下のための時間!本来の目的を再確認
「話すことがない」という悩みは、解決する第一歩は、1on1に対する考え方を変えることです。1on1は、上司のための時間ではありません。主役はあくまで「部下」であるあなた自身です。
1on1の本来の目的は、日々の業務から少し離れ、部下の成長支援やキャリア自律、モチベーション向上を促すことにあります。上司は、あなたの話を傾聴し、質問やフィードバックを通じて、あなたの考えを整理したり、新たな視点を提供したりする「壁打ち相手」としての役割を担います。評価面談のように、上司が部下を評価する場ではないのです。
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項目 |
1on1ミーティング |
業務の進捗会議 |
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主役 |
部下 |
上司・マネージャー |
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目的 |
部下の成長支援、キャリア自律 |
プロジェクトの進捗確認、課題解決 |
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話す内容 |
部下が話したいこと全般 |
業務の進捗、ToDo、課題 |
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時間軸 |
中長期的な視点(未来) |
短期的な視点(現在・過去) |
この目的を理解すれば、「何かすごいことを言わなければ」と気負う必要がないことに気づくはずです。
もう困らない!1on1で使えるテーマ集
1on1の目的がわかっても、具体的に何を話せばいいか分からない、という方も多いでしょう。ここでは、時間軸で分類した、すぐに使えるテーマの具体例をご紹介します。次の1on1から、この中から一つでも二つでも話してみてはいかがでしょうか。
【短期】現在の業務に関するテーマ
まずは、日々の業務に関連するテーマです。進捗報告で終わらせないためには、「事実」だけでなく、あなたの「感情」や「意見」を付け加えるのがポイントです。最近うまくいった業務について、なぜ成功したと思うか、その経験をどう活かせるかを話してみましょう。
逆に、課題を感じている業務があれば、具体的な解決策ではなく、「どう進めればよいか悩んでいる」という段階で相談するのも有効です。チームの人間関係や業務フローの改善点など、普段の会議では言いにくい提案をしてみるのも良い機会です。
【中期】自身の成長やキャリアに関するテーマ
次に、数ヶ月から1〜2年先を見据えた、あなた自身の成長に関するテーマです。今後挑戦してみたい仕事やプロジェクトについて、その理由と共に話してみましょう。また、身につけたいスキルや知識について、「〇〇のスキルを伸ばしたいのですが、おすすめの書籍や研修はありますか?」と上司にアドバイスを求めるのも良いでしょう。
上司の過去の経験談、例えば「課長が若手だった頃、どのようなキャリアプランを描いていましたか?」と尋ねてみるのも、新たな発見につながるかもしれません。
【長期】将来のビジョンに関するテーマ
3年以上先の、より長期的な視点でのテーマも1on1には適しています。この会社でどのような役割を担っていきたいか、どのような専門性を身につけていきたいかを話してみることで、上司もあなたのキャリア志向を理解し、サポートしやすくなります。プライベートも含めたライフプランについて、例えば「将来的に育児と仕事を両立したいと考えている」といった相談も、上司との信頼関係があれば有益な対話になるでしょう。
【その他】心身の健康や働き方に関するテーマ
仕事のパフォーマンスは、心身の健康状態に大きく左右されます。最近のコンディションについて、正直に話すことも大切です。「少し疲れが溜まっている」「最近モチベーションが上がらない」といった些細な変化を共有することで、上司もあなたの状況を把握し、業務量の調整などを配慮してくれる可能性があります。働きやすさの改善、例えば「リモートワークの頻度を上げたい」といった相談も、1on1の場だからこそ話しやすいテーマです。
1on1を有意義な時間に変える3つのコツ
話すテーマが見つかったら、次は1on1をより効果的なものにするための準備です。少しの工夫で、1on1の質は大きく向上します。
事前にアジェンダを作成し共有する
1on1の直前に「何を話そうか」と焦らないために、話したいテーマを2〜3個、事前にアジェンダとしてまとめておきましょう。そして、可能であれば、前日までにチャットなどで上司に共有しておくことをお勧めします。「明日の1on1ですが、〇〇と△△についてご相談させてください」と送っておけば、上司も心の準備ができ、より的確なアドバイスをもらえる可能性が高まります。
上司への質問や相談事項を用意しておく
1on1は、上司というリソースを自分のために活用できる絶好の機会です。会社の戦略や方針で疑問に思っていること、上司が担当している他のプロジェクトの状況、あるいは上司自身の経験から学びたいことなど、普段は聞きにくい質問を用意しておきましょう。これにより、受け身の姿勢から脱し、主体的に時間を使うことができます。
1on1の振り返りを記録する
1on1で話した内容や、上司からもらったアドバイス、そして次に取るべきアクションなどを、簡単なメモで良いので記録しておく習慣をつけましょう。記録を見返すことで、自分の思考の変化や成長の軌跡を実感できます。また、次回の1on1の冒頭で、「前回の〇〇の件ですが、アドバイスいただいた通り試してみたところ、うまくいきました」といった報告ができれば、会話のきっかけにもなり、上司との信頼関係も深まります。
どうしても話すことがない時の最終手段
あらゆるテーマを試し、準備をしても、なお「話すことがない」と感じる時もあるかもしれません。そんな時のための、いくつかの考え方をご紹介します。
雑談で関係構築の時間にする
無理に仕事の話をひねり出す必要はありません。最近見た映画の話、週末の過ごし方、趣味の話など、フランクな雑談の時間にしてしまうのも一つの手です。一見、無駄な時間に見えるかもしれませんが、こうした雑談を通じて上司の人柄を知り、相互理解を深めることは、今後の円滑な業務遂行に必ず役立ちます。
雑談は、心理的安全性を高めるための重要な投資なのです。
正直に「特にない」と伝えてみる
「今週は特にご相談したい課題や悩みはありません。業務も順調に進んでいます」と、正直に伝えてみる勇気も時には必要です。その上で、「もし課長の方で何か気になる点や、伝えておきたいことがあればお伺いしたいです」と相手にボールを渡してみましょう。毎回これでは問題ですが、たまにはこのような回があっても良いはずです。
頻度や時間の見直しを提案する
毎週30分の1on1が形骸化しているのであれば、「もし可能であれば、隔週30分にして、その分じっくりお話しする時間にするのはいかがでしょうか」と、頻度や時間の見直しを提案してみるのも有効な手段です。現状の1on1が無意味だと感じていることをポジティブな改善提案として伝えることで、上司も真剣に検討してくれるでしょう。
まとめ:主体的に関わり1on1を自己成長の機会に
「1on1で話すことがない」という悩みは、受け身の姿勢でいる限り、なかなか解消されません。1on1は上司に何かを報告させられる場ではなく、あなたが上司というリソースを使って、自分の成長やキャリアについて考えるための時間です。
今回ご紹介したテーマ集や準備のコツを参考に、ぜひ次の1on1から主体的に関わってみてください。小さな一歩を踏み出すことで、気まずい沈黙の時間は、きっと未来の自分を作るための有意義な投資の時間に変わっていくはずです。
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