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チームのコミュニケーションを活性化させる10の方法とは?明日から使える具体策と成功事例を紹介

チームのパフォーマンスを最大化し、企業の成長を促進するためには、チーム内の円滑なコミュニケーションが不可欠です。しかし、多くの企業で「情報共有がうまくいかない」「メンバーの間に壁がある」といった課題が聞かれます。

この記事では、チームのコミュニケーションを活性化させるための具体的な方法と、それを成功に導くポイントを企業の成功事例を交えながら詳しく解説します。


チームのコミュニケーションが重要視される背景

近年、多くの企業でチームのコミュニケーションが改めて重要視されています。その背景には、働き方の変化や、企業経営における人材の価値の高まりなど、複数の要因が複雑に絡み合っています。

働き方の多様化による物理的な距離

リモートワークやハイブリッドワークが普及し、メンバーが同じ場所で働く機会は減少しました。これにより、以前は自然に生まれていた雑談やちょっとした相談が難しくなり、意識的にコミュニケーションの機会を創出しなければ、メンバー間の心理的な距離が広がりやすくなっています。

物理的な距離を補い、チームとしての一体感を維持するために、コミュニケーションの活性化が急務となっているのです。

業務効率と生産性の向上への直結

市場の変化が激しい現代において、企業が競争力を維持するためには、迅速な意思決定と実行が不可欠です。チーム内のコミュニケーションが円滑であれば、情報共有が迅速化し、認識の齟齬による手戻りや業務ミスが減少します。

結果として、チーム全体の生産性が向上し、事業のスピードアップに直結します。

従業員エンゲージメントと離職率の改善

従業員が自身の意見を安心して発言でき、お互いに尊重し合える職場環境は、従業員のエンゲージメント(仕事への熱意や貢献意欲)を高めます。良好な人間関係は働く上での満足度に大きく影響し、優秀な人材の離職を防ぐ重要な要素となります。

人材の流動性が高まる中で、従業員が「このチームで働き続けたい」と思える環境を作ることが、企業の持続的な成長に繋がります。

チームのコミュニケーション不足が引き起こす問題

チーム内のコミュニケーションが不足すると、業務の停滞から人間関係の悪化まで、さまざまな問題が発生します。

これらの問題は、放置すると組織全体に深刻な影響を及ぼしかねません。

情報共有の遅延と業務ミスの頻発

コミュニケーションが不足しているチームでは、「誰が何を知っているか」が不透明になりがちです。その結果、必要な情報が適切なタイミングで伝わらず、業務の遅延や判断ミスを引き起こします。

また、同じ作業を複数のメンバーが重複して行ってしまうといった、非効率な事態も発生しやすくなります。

新しいアイデアの停滞とイノベーションの阻害

活発な議論や意見交換は、新しいアイデアやイノベーションの源泉です。しかし、コミュニケーションが不足し、心理的安全性が低い環境では、メンバーは「反対意見を言ったらどう思われるだろう」「的外れなことを言いたくない」と萎縮し、発言をためらうようになります。

これにより、組織は新しい視点や創造的な解決策を得る機会を失ってしまいます。

心理的安全性の低下と人間関係の悪化

「報連相」がしにくい、困ったときに「助けて」と言えない、といった状況は、メンバーの心理的安全性を著しく低下させます。このような環境では、メンバーは孤立感を深め、ストレスを抱え込みやすくなります。

結果として、チーム内の雰囲気が悪化し、相互不信や対立に繋がることも少なくありません。

コミュニケーション活性化がもたらす4つのメリット

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チームのコミュニケーションを活性化させることは、多くのメリットを企業にもたらします。

ここでは、代表的な4つのメリットについて解説します。

生産性と業務効率の向上

コミュニケーションが活発になると、メンバー間の情報共有がスムーズになり、業務の進行状況が可視化されます。これにより、無駄な作業や連携ミスが減少し、チーム全体の生産性が向上します。

お互いの業務内容への理解が深まることで、協力体制も築きやすくなるでしょう。

迅速な課題発見と解決

風通しの良い職場では、問題が発生した際にすぐに報告が上がり、チーム全体で迅速に対応できます。トラブルの兆候を早期に察知し、大きな問題に発展する前に対処することが可能になります。

これにより、事業上のリスクを低減させることができます。

従業員エンゲージメントの向上

自分の意見が尊重され、チームに貢献できているという実感は、従業員のエンゲージメントを高めます。チームの一員としての帰属意識が強まり、仕事に対するモチベーションも向上します。

エンゲージメントの高い従業員は、自律的に行動し、組織の目標達成に大きく貢献してくれます。

離職率の低下と人材定着

働きやすい人間関係と、自身の成長を実感できる環境は、従業員の満足度を高め、離職率の低下に繋がります。特に、新しいメンバーが孤立することなく、チームに溶け込める環境づくりは重要です。

コミュニケーションの活性化は、採用コストの削減と、組織全体の知識・ノウハウの蓄積にも貢献します。



メリット

具体的な効果

生産性と業務効率の向上

情報共有の迅速化、連携ミスの削減、協力体制の構築

迅速な課題発見と解決

問題の早期報告、迅速なトラブル対応、リスクの低減

従業員エンゲージメントの向上

帰属意識の強化、モチベーション向上、自律的な行動の促進

離職率の低下と人材定着

従業員満足度の向上、採用・教育コストの削減、ノウハウの蓄積

チームのコミュニケーションを活性化させる具体的な施策10選

コミュニケーションを活性化させるためには、自社の課題や文化に合った施策を組み合わせ、継続的に取り組むことが重要です。

ここでは、多くの企業で導入され、効果を上げている10の施策を紹介します。

施策1:コミュニケーションツールの導入

ビジネスチャットや社内SNSなどのツールは、時間や場所を選ばずに気軽にコミュニケーションを取るための基盤となります。

業務連絡だけでなく、雑談用のチャンネルを作成することで、偶発的なコミュニケーションが生まれやすくなります。

施策2:定期的な1on1ミーティングの実施

上司と部下が1対1で定期的に対話する1on1は、信頼関係を構築する上で非常に有効です。

業務の進捗確認だけでなく、キャリアの悩みやプライベートな話題など、部下の話をじっくりと聴く「傾聴」の姿勢が求められます。

施策3:メンター制度の導入

新入社員や若手社員に対し、他部署の先輩社員が相談役(メンター)となる制度です。

直属の上司には相談しにくい内容も気軽に話せる相手がいることで、若手社員の不安を解消し、早期離職を防ぐ効果が期待できます。

施策4:社内イベントの企画・実施

スポーツ大会やバーベキュー、ファミリーデーといった社内イベントは、普段関わりの少ないメンバーと交流する絶好の機会です。

業務を離れてリラックスした雰囲気で話すことで、お互いの意外な一面を知り、親近感を深めることができます。

施策5:フリーアドレスやオフィス環境の整備

座席を固定しないフリーアドレス制は、部署の垣根を越えた偶発的なコミュニケーションを生み出します。

また、リフレッシュスペースやカフェスペースを設けることで、社員が自然と集まり、会話が生まれる空間を作ることも有効です。

施策6:サンクスカード制度の導入

日々の業務の中での感謝の気持ちを、カードやアプリを使って伝え合う制度です。

感謝や称賛が可視化されることで、ポジティブなコミュニケーションが促進され、お互いを認め合う文化が醸成されます。

施策7:シャッフルランチの実施

部署や役職が異なるメンバーをランダムに組み合わせて、会社が費用を補助してランチに行ってもらう制度です。

普段は接点のないメンバーと話すことで、新たな視点を得たり、部署間の連携がスムーズになったりする効果があります。

施策8:社内報やWeb社内報の活用

経営層の考えやビジョン、他部署の取り組み、活躍している社員の紹介などを発信することで、全社的な一体感を醸成します。

社員のインタビュー記事などを掲載すれば、お互いへの理解を深めるきっかけにもなります。

施策9:チームビルディング研修の実施

コミュニケーションの重要性や方法論を学ぶ研修や、グループワークを通じて協力して課題解決に取り組む研修は、チームの一体感を高めるのに役立ちます。

ゲーム感覚で楽しみながら、チームワークを向上させることができます。

施策10:経営層からの情報発信強化

経営層が自らの言葉で、会社のビジョンや経営状況、そして社員への想いを定期的に発信することは、従業員の帰属意識を高める上で極めて重要です。

全社会議や動画メッセージなどを活用し、透明性の高い情報発信を心がけましょう。

【目的別】コミュニケーション活性化の企業成功事例

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多くの企業が、自社の課題に合わせて様々な施策を導入し、コミュニケーションの活性化に成功しています。

ここでは、その中から3社の事例を紹介します。

【事例1】株式会社メルカリ:1on1によるタテの関係強化

フリマアプリで知られる株式会社メルカリでは、1on1ミーティングを重視しています。相手は直接の上司に限定されず誰とでも自由に設定でき、人材のスキルアップや成長支援を目的としており、心理的安全性が確保された場で対話することで、信頼関係の構築と個人のパフォーマンス向上を実現しています。

(参考:【事例編】メルカリの組織文化を支える"自由すぎる"1on1、なぜ成立する?

【事例2】株式会社サイバーエージェント:チャットツールの活用

株式会社サイバーエージェントでは、インターネット広告事業本部の約1,000名にChatworkを導入し、劇的な業務効率化を実現しました。導入後は、一人あたり1日1.26時間の時間削減を達成し、事業本部全体で月間25,000時間以上の業務効率化に成功。

コミュニケーションのレスポンスが向上し、クライアントと向き合う時間が増加するなど、顧客サービスの質的向上にもつながっています。

(参考:2万5千時間以上/月の業務効率化 | 株式会社サイバーエージェント - 導入事例

【事例3】パナソニック インフォメーションシステムズ株式会社:フリーアドレスの導入

パナソニック インフォメーションシステムズ株式会社では、2025年2月の新オフィス移転を機に、8拠点を統合してフリーアドレス制を本格導入しました。オフィス内での居場所共有サービス「PHONE APPLI PLACE」を活用することで、フリーアドレス運用時の「誰がどこにいるかわからない」という課題を解決。

社員が遠慮なく自由に座席を選べる環境を実現し、チーム間のコミュニケーション活性化を促進しています。

(参考:PHONE APPLI PEOPLE 導入事例|パナソニック インフォメーションシステムズ株式会社

施策を成功させるための3つのポイント

様々な施策を導入しても、それが形骸化してしまっては意味がありません。

コミュニケーション活性化の取り組みを成功させるためには、以下の3つのポイントを意識することが重要です。

ポイント1:目的を明確にし、チームで共有する

「なぜコミュニケーションを活性化させる必要があるのか」という目的を、経営層から現場のメンバーまで、全員が正しく理解し、共有することが全てのスタート地点です。

目的が共有されていれば、施策に対する当事者意識が生まれ、やらされ感なく前向きに取り組むことができます。

ポイント2:スモールスタートで効果を検証する

いきなり全社で大々的な施策を始めるのではなく、まずは特定の部署やチームで試験的に導入し、効果を検証することをお勧めします。

小さな成功体験を積み重ね、参加者のフィードバックをもとに改善を繰り返すことで、自社に最適化された施策へと昇華させることができます。

ポイント3:経営層や管理職が率先して参加する

従業員にコミュニケーションを促すのであれば、まず経営層や管理職がその手本を示す必要があります。役職者が率先して雑談に参加したり、1on1で部下の話に耳を傾けたりする姿勢を見せることで、「この会社は本気でコミュニケーションを大切にしている」というメッセージが伝わり、全社的なムーブメントに繋がっていきます。



成功のポイント

具体的なアクション

目的の明確化と共有

全社会議や部署ミーティングで、活性化の目的とゴールを繰り返し説明する。

スモールスタート

特定のチームでツールを試験導入し、アンケートで効果測定と課題抽出を行う。

役職者の率先垂範

経営層が社内報で自身のプライベートを語る。管理職が積極的に「サンクスカード」を送る。

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「PHONE APPLI PEOPLE」には、次のような機能が標準搭載されています。

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まとめ

チームのコミュニケーション活性化は、一朝一夕に実現するものではありません。しかし、自社の課題を正しく見極め、適切な施策を粘り強く続けることで、組織の風土は着実に変わっていきます。

今回紹介した施策や成功のポイントを参考に、まずは小さな一歩から始めてみてください。活発なコミュニケーションは、チームの生産性を高めるだけでなく、そこで働く全ての従業員の働きがいをも向上させるはずです。

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