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健康経営とウェルビーイングの違いとは?導入のメリットと成功事例を紹介

「自社でも健康経営やウェルビーイングを取り入れたいと考えている」
「そもそも健康経営とウェルビーイングって何が違うの?」
「健康経営やウェルビーイングを成功させた事例を知りたい」

働き方改革の推進などにより「健康経営」や「ウェルビーイング」が注目を集めている昨今。言葉自体は聞いたことはあるけど、具体的な意味まではわからないという方は多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、健康経営とウェルビーイングについて以下のポイントを中心にお伝えします。

ぜひ本記事の内容を、自社の健康経営やウェルビーイング経営の導入にお役立てください。

健康経営とウェルビーイングの違いとは?

健康経営と混同しやすい言葉に「ウェルビーイング」があります。健康経営とは社員の身体・精神的健康を重視した経営戦略のひとつ。一方のウェルビーイングも同じように、社員が健康で幸福な状態を指す考え方です。

しかし、健康経営とウェルビーイングは少しニュアンスが異なります。具体的には以下の3点です。

  • 健康経営は具体的な施策ベース
  • ウェルビーイングは「概念」である
  • ウェルビーイングには「社会的な健康」がある

健康経営とは、健康診断を実施したり、アプリを使って運動を促進したりと、具体的な施策ベースで戦略を考えます。一方のウェルビーイングは、社員の健康が良好な状態であることを指す「概念」です。

したがって健康経営が求められる際、同時にウェルビーイングの考え方を取り入れるということになります。

またウェルビーイングには、身体や精神のほかに「社会的な健康」が加わります。たとえば、社会的な幸福である「ソーシャルウェルビーイング」や「コミュニティウェルビーイング」などの要素です。ウェルビーイングの構成要素については後ほど詳しくご紹介します。

ウェルビーイングに必要な5つの要素とは?

前章でお伝えしたように、ウェルビーイングにはいくつかの「構成要素」が存在します。アメリカのコンサル企業「ギャロップ社」が、次のような構成要素を定義しています。

  1. キャリアウェルビーイング
  2. ソーシャルウェルビーイング
  3. ファイナンシャルウェルビーイング
  4. フィジカルウェルビーイング
  5. コミュニティウェルビーイング

1つ目は「キャリア」における幸福です。ここでいうキャリアは、仕事だけでなく子育てや家事、趣味なども含みます。

2つ目は「ソーシャル」。これは人間関係における幸福を指しており、どれだけ愛情や信頼をもって人と接することができるかが重要視されています。

3つ目は経済的な幸せを示す「ファイナンシャル」。収入を得られる手段をもっているのか、資産をしっかりと管理・運用できるのかなどが重要です。

4つ目は「フィジカル」における幸福です。日常生活において身体・精神的にポジティブな感情で動けるかどうかで判断します。

最後は「コミュニティ」です。自分が住んでいる地域をはじめ身近な関係の人、社内でのコミュニティ形成がうまくいっているかなどが重要視されます。

上記5つが達成されて、はじめて「ウェルビーイングが実現されている状態」といえるでしょう。

企業がウェルビーイングを取り入れる3つのメリット

社員が健康で幸せな状態であることを表すウェルビーイングですが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。代表的なメリットとして次の3つがあげられます。

  1. 社員の生産性向上
  2. 人材不足を解消
  3. 医療費の削減や休職者の防止

ウェルビーイングによって身体・精神的に健康な社員が増えることで、一人ひとりの仕事に対するモチベーションが上がり、生産性向上につながるのです。

また「社員の健康に対して積極的な会社」として世間から認知されます。求職者からも好印象を得られるため、人材不足への悩みも解消されるはずです。

また体調不良によって病院にかかる社員が減ることで医療費が削減されます。社員の健康状態がよければ休職者も減り、結果的に企業としての生産性アップにつながるでしょう。

自社にウェルビーイング経営を取り入れる方法

ウェルビーイングの構成要素やメリットをお伝えしましたが、具体的に何をすればいいのでしょうか。ここではウェルビーイング経営を取り入れる方法をご紹介します。

  • テレワークの実施
  • フリーアドレスやピアボーナスの導入
  • 福利厚生の見直し
  • 健康増進活動の推進

テレワークはウェルビーイング経営への効果が高い施策のひとつです。たとえば子育てや介護といった理由でオフィス勤務が難しい社員に対して「自宅にいながらでも仕事が続けられる」という環境を提供できます。

ウェルビーイングの構成要素である「人間関係の幸福」を満たす取り組みもオススメです。たとえば固定席を設けない「フリーアドレス」や、社員同士が感謝の気持ちを贈りあう「ピアボーナス」などがあげられます。

福利厚生の充実度もウェルビーイング経営に直結します。たとえば人間ドックの補助、トレーニングルームの設置、ベビーシッター補助、社員食堂の充実など。社員が気軽に福利厚生を利用できるような環境を作ることが大切です。

またメンタルチェックや相談窓口の設置、労働時間の状況把握など「健康増進活動」も積極的に行いましょう。労働環境は社員の体調に大きな影響を与えます。社員が幸せな気持ちで働いているかを確認するためにも、細やかなチェックを欠かさないようにしましょう。

【コラム】健康経営(ウェルビーイング経営)のカギとなる1on1ミーティングとは?

健康経営やウェルビーイング経営成功のカギといえるほどオススメの施策が「1on1ミーティング」です。1on1ミーティングとは、部下のエンゲージメント向上を目的に、上司と部下が1対1で話しあう面談のこと。一般的な人事評価面談とは異なり、週1〜月1回、30分程度の短いサイクルで定常的におこなうのが特徴です。

1on1ミーティングには次のようなメリットがあります。

  1. 部下の「人となり」が分かる
  2. 部下が相談しやすい空気を作れる
  3. 会社全体の生産性向上につながる

2人きりの空間で話すため、上司は部下の人となりを理解できます。また部下の悩みに寄り添うことで、「相談しやすい空気」が作られ、ひいては社内コミュニケーション円滑化につながるのです。

また1on1ミーティングは、基本的に上司が「部下全員」と行います。言い換えると「上司が部下全員に対して公平に時間を使っている」ということ。公平感が生まれることで、部下全体のエンゲージメント向上が期待できます。その結果、チームや会社全体の生産性向上にもつながるでしょう。

【事例】ウェルビーイングの概念を取り入れて健康経営を実現した企業事例

ウェルビーイングの活用は企業に多くのメリットをもたらしてくれます。しかし概要だけ理解しても、実際の事例がないとイメージも掴みにくいのではないでしょうか。そこで、ウェルビーイング経営を実践している企業の事例をいくつかご紹介します。ぜひ自社のウェルビーイング経営にお役立てください。

味の素

味の素は、調味料や冷凍食品、即席麺といった食品を生産・販売している会社です。社員のセルフケアを徹底している同社。以前より働き方改革や健康経営に注力しており、2017年には「健康経営銘柄」に認定されています。

【ポイント】

  1. 健康診断のデータを蓄積し確認できるポータルサイト「My Health」を設置
  2. AIが栄養指導を行ってくれる健康管理アプリ「カロママプラス」の開発・運営
  3. 社員の不調を早期発見するため、最低でも年に1回「全員面談」を実施

ポータルサイトやアプリを活用することで社員の健康をサポートしている同社。また「全員面談」によって、社員のメンタル面もカバーしています。身体面・精神面ともにバランスよくアプローチを行うことで、ウェルビーイングを実現している事例です。

PHONE APPLI 山口県萩市でエンジニア採用

PHONE APPLI 萩

当社では、エンジニア育成を目的としたオフィス「萩 明倫館 アプリ開発センター」を運営しており、ウェルビーイングの考え方を積極的に取り入れています。

【ポイント】

  1. 数々の志士を輩出した毛利家が子弟(若い人)教育のために開いた藩校「明倫館」にならい、自社のアプリ開発センターとして開設
  2. 若い人材の「絆」と「成長意欲」を大切にすることで、地方創生や新たな価値の創出を目指している
  3. 明倫館のコミュニティを通して、萩市や他IT企業とのコミュニティ形成を図っている

萩で生まれ育った若い人材の「絆と成長意欲」に惹かれ、当社のサテライトオフィスとして同センターを開設しました。人は「人と人とのつながり」と「成長したい」という気持ちがあれば、ウェルビーイングを感じることができると考えています。

将来のビジョンとしては、私たちの会社だけではなく、さまざまなIT企業と萩市コミュニティを形成したいと考えています。

PHONE APPLIのウェルビーイング経営(健康経営)への取り組み

PHONE APPLIは、2018年から「従業員が健康でいきいきと働いている」状態を目指し、コミュニケーション改革による「ウェルビーイング経営」を推進してきました。従業員が身体的・精神的に健康であるために、運動・食事・睡眠など、様々なイベントやワークショップ実施のほか、上長と毎週30分の1on1の時間を設け、仕事以外の相談も気軽に話せる信頼関係の構築や、オンライン上で感謝の気持ちを贈りあい、お互いを尊重し感謝しあう文化の醸成など、コミュニケーションの活性化を意識した諸施策を展開しています。 2020年8月には部署を横断した健康経営推進プロジェクト「Wellnessアンバサダー」を発足、組織の幸福度診断「Well-being Company Survey」を社内実施開始しました。

組織の幸福度を測定する「Well-being Company Survey」の活用

ウェルビーイング向上のために、身体的健康や精神的健康に関するアンケートだけでなく、組織の幸福度を測定するアセスメントサービス「Well-being Company Survey」を定期的に実施し、これらの回答結果をもとに、身体的・精神的・社会的それぞれの健康を満たすための施策の検討、実施に繋げています。

※「Well-being Company Survey」について
https://phoneappli.net/product/consulting/health-consulting/wcs.html

従業員間で感謝や称賛を"贈りあう"「PHONE APPLI THANKS」の活用

  • THANKSカードを通じてお互いに感謝を贈りあい、従業員間の「ありがとう」を可視化しています。このカードの内容は全社に公開されているため、リモートワーク下でもマネージャーがメンバーの活躍を知ることや、これまで接点のない従業員の情報を事前に知ることが可能になります。「PHONE APPLI THANKS」によって、コミュニケーション活性化やモチベーションの向上、職場における一体感の増進や心理的安全性の向上に努めています。

PHONE APPLI THANKS

※「PHONE APPLI THANKS」について
https://phoneappli.net/product/service/pa-thanks/

上司と部下の信頼関係をつくる毎週30分の1on1ミーティングを実施

自社開発した「リモート1on1」ツールを用い、マネージャーとメンバーで毎週30分、1on1を実施しています。メンバーは1on1開始直前に、ツール上で現在の体調・仕事量・モチベーションを回答し、今回の1on1で話したい話題のカテゴリーを選択します。これらの機能により、マネージャーはメンバーの状態を把握し、より1on1を有効活用することができます。またリアルタイムでマネージャーとメンバーの発話量もグラフ表示されるため、マネージャーはより傾聴を意識して1on1を行うことが可能です。基本的に上司と部下の発話量が「30%:70%」になるようなルールを設けています

信頼関係構築を目的としたハイブリッドワークの推進と全社横断1on1ミーティング

コロナ禍が継続しリモートワークを推奨していましたが、コミュニケーション不足により、業務やメンタルヘルスへの影響が見受けられました。それらの課題を解消するため、フルリモートから対面ワークとリモートワークを組み合わせたハイブリッドワークへ移行し、全社横断での1on1ミーティングを定期的に実施しています。組織横断コミュニケーションを意識的に増やすことで、当社にとっての望ましい働き方を整備し、精神的社会的健康の向上を目指しています。

ウォーキングイベント開催、運動部活動の実施による運動習慣の定着化

PHONE APPLIでは、歩数計アプリ「RenoBody」を用いたウォーキングイベント「PA Walking Cup」を毎月開催しています。また2022年から社内部活動にて「月二体育館」という運動部を設立し、月2回程度、自主参加のメンバーで運動を行っています。自治体の体育館を借りて、卓球、バドミントン、バレーなどの運動を行いながら、普段交流のないメンバーとの関わりを楽しみながら体を動かすきっかけとなっています。


※PHONE APPLIのウェルビーイング経営(健康経営)への取り組みについて
https://phoneappli.net/company/well-being/

PHONE APPLIの書籍「最強の組織は幸せな社員がつくる ~ウェルビーイング経営のすすめ~」

最強の組織をつくる仕掛けを大公開

社員の幸せを追求することは奉仕だと思っていないでしょうか? 幸せな社員たちは価値ある商品やサービスを生み出すクリエイティビティの源泉になり、企業の成長につながることが証明されています。

私たちはウェルビーイングを経営戦略の一環として位置づけ、正しく構造化することで幸せな社員を増やすことに成功しました。本書では、ウェルビーイング経営の構造やノウハウを余すことなく公開!

ウェルビーイング経営で、あなたの会社にイノベーションを起こしてみませんか?

【まとめ】健康経営の実現に必要なウェルビーイングについて

本記事では、健康経営とウェルビーイングについて以下のポイントを中心にお伝えしました。

  • 健康経営は「経営戦略」であり、ウェルビーイングは「概念」である
  • どちらも「社員の健康」を維持・向上させるために存在する
  • ウェルビーイングの導入には「生産性向上」「人材不足解消」「医療費削減」などのメリットがある
  • テレワークやフリーアドレス、ピアボーナスの実施もウェルビーイング促進に役立つ

社員の健康を守るという点においては、健康経営とウェルビーイングは同じです。健康経営が求められると同時に、ウェルビーイングの考え方が必要不可欠となります。

ウェルビーイングの考え方を実践し成功している企業も増えているので、これを機に導入を検討してみてはいかがでしょうか。何から始めれば良いかわからないという方は、健康経営コンサルティングサービスを活用して、専門家のアドバイスを受けてみるのもウェルビーイング経営の第一歩です。

ウェルビーイングな状態かどうかを測定しませんか?

組織の幸福度や風土を可視化する組織の健康診断組織の健康診断「Well-being Company Survey」

ウェルビーイングな状態は測れるものでなければ、改善していくことができません。
Well-being Company Surveyとは、幸福経営学研究の第一人者ホワイト企業大賞委員長である天外伺朗氏と慶応義塾大学 前野隆司教授協力のもと、PHONE APPLIが開発したパルスサーベイ※です。

基本設問は3つの因子から12問(約2分で回答)。手軽に受けられて無理なく継続できる組織の健康診断です。

登録料・利用料無料でご利用いただけます!

【無料資料ダウンロード】組織の幸福度や風土を可視化する組織の健康診断「Well-being Company Survey」

⇒ 組織の健康診断「Well-being Company Survey」の資料はこちら

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