ミッションとビジョンとバリューについて|6つの具体例と必要な理由
ミッション・ビジョン・バリューの意味とは?
ビジネスや経営の世界にて耳にするのが、ビジョン、ミッション、バリューというキーワードです。これらは一体何を指しているのでしょうか。
分かっているようでいて細かい違いや特徴を聞かれた場合、それにどう答えたらいいのか分からないという方も多いのではありませんか。経営理念や経営方針、スローガンとも密接な関係性があります。
今回はビジョン、ミッション、バリューの各種についての特集、わかりやすく解説していきます。
ミッション
ミッションとは、使命や任務のことです。企業として社会のためにどのような使命を持っているのか、その存在意義を文書化しているケースがほとんどです。例えば、街の魚屋さんは、良質な魚介類を近所の人々に提供するのがミッションです。
スマホを売ることは普通あり得ません。なぜなら、魚を中心とした生鮮食料品の取り扱いをミッションにしているからです。誰にどのような価値を提供するのかをはっきりさせることが大事です。
ビジョン
ビジョンとは、その企業や組織が将来的に実現させたい姿のことを意味します。例えば「10年後には業界有数になる」という思いがあるのなら、その企業が業界内でのポジショニングを、10年後までには人気にしたいというビジョンだと言えます。
ビジョンという言葉で表わされているように、見えるような実態だったり、それに近い具体的なイメージ像であることが条件です。意志があって将来の見通しになっています。
バリュー
バリューとは価値観や価値基準を意味します。特にビジネスの世界で使われるバリューに関しては、組織共通の価値観を指します。
その企業は社会にどのような価値を提供するのか、全社スタッフが共通で認識できる「強み」に近い何かだと思えば良いでしょう。
例えば、街の魚屋さんのバリューは、魚の新鮮さや品ぞろえの豊富さを自慢にしていることが考えられます。何をバリューとして捉えるのかを考えて決めておくことは重要です。
ミッション・ビジョン・バリューの6つの具体例
ミッション、ビジョン、バリューを取りきめる際は、既存の企業が謳っている実際の言葉を確かめてみるのが一番分かりやすいはずです。
ここでは有名企業が世の中に公表している、各社のミッション、ビジョン、バリューの事例をご紹介します。
ミッション・ビジョン・バリューの例1:無印良品の場合
無印良品の企業理念、ミッションの文体を見ると「していく」「いただく」といった現在進行形の表現がされているのが特徴的です。今の自分たちの姿を何処へ向けていくのか、それを常に進行形で考え続けている姿勢が窺えます。
ビジョンとしては供に働く仲間同士が永続的な幸せになることを目標にするといった内容が見られます。さらに価値観として謳っているのは、「誠実さと正直さ」についての言及がされています。それらすべてのバリューであると言っています。
美意識と良心感を根底に据えつつ、日常の意識や、人間本来の皮膚感覚から世界を見つめ直すという視点で、モノの本質を探究していく。そして「わけ」を持った良品によって、お客様に理性的な満足感と、簡素の中にある美意識や豊かさを感じていただく。
ミッション・ビジョン・バリューの例2:日立グループの場合
日立グループのミッション、ビジョン、バリューについては、グループ創業者だった小平浪平氏が持っていた信念である「優れた自主技術」「製品開発による社会貢献」という教えを、そのまま企業理念にして継承させています。
長い歴史のあるグループ企業で、およそ100年の歩みがあります。しかしその歴史の中で信念や理念は全く変わることのない普遍的な象徴です。それは時代の中で柔軟に対応できることでもあるとされています。
優れた自主技術・製品の開発を通じて、社会に貢献する
ミッション・ビジョン・バリューの例3:KIRINグループの場合
キリングループのスタッフとして、まず大切にするべき考え方というものがあります。それは熱意、誠意、多様性という3つのキーワードから構成されています。
各々Passion、Integrity、Diversityという英語表記にもしていて、これがすなわちスタッフの源流とも言えるバリューであることを表現しています。食と健康、そし医療とも関わった価値の創造で先進企業を目指すことがビジョンであるといった内容をビジョンで謳っています。
キリングループは、自然と人を見つめるものづくりで、「食と健康」の新たなよろこびを広げ、こころ豊かな社会の実現に貢献します
ミッション・ビジョン・バリューの例4:ヤクルトの場合
子供の頃からお馴染な乳酸菌飲料のヤクルト、その創始者は代田稔氏です。彼が発見したヤクルト菌の効果を世界の人々に広めたいという一心からこの会社が設立され今日に至っています。人々の健康を守りたいという情熱と発想、探究心などが現在でも受け継がれています。
ヤクルトがモットーにしているの世界への貢献です。ミッション、ビジョン、バリューにもその片鱗が窺えるほどです。
私たちは、生命科学の追求を基盤として、世界の人々の健康で楽しい生活づくりに貢献します。健康への情熱、発想「世界の人々の健康を守りたい」
ミッション・ビジョン・バリューの例5:Googleの場合
Googleは企業理念として自社使命を全面的に謳っていて、ミッション型の経営理念であることが特徴的です。また他にも「Googleが掲げる10の事実」という十カ条をビジョンやバリュー代わりに掲げています。
そこには、ユーザーに焦点を絞ってみること、 1 つを極めてうまくやること、とにかく敏速な対応をするといった内容を10個掲載しています。
Google の使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすることです。
ミッション・ビジョン・バリューの例6:Amazonの場合
Amazonのミッションは、とてもグローバルな視点で捉えているのが特徴的です。地球という言葉に重点を置いて、企業としての役目を果たすことを自覚している企業と言えます。
また、Amazonの場合、「リーダーシッププリンシプル」と呼ばれている、リーダーが取るべき14の行動規範も掲げています。そこには、顧客を起点とした考えと行動、会社全体を動かす行動に目覚めることを謳っています。
地球上で最もお客様を大切にする企業であること、お客様がオンラインで求めるあらゆるものを探して発掘し、出来る限り低価格でご提供するよう努めること
ミッションとビジョンとバリューが必要な理由
前述のように、世界中の有名企業のほとんどは、今やミッション・ビジョン、あるいはバリューについての定義を必ずしています。3つすべてが揃っていなければいけないとは限りませんが、必ずどれかを謳っているのが当たり前な時代です。
しかしこれら3つは、なぜこの時代に必要だと叫ばれているのでしょうか。ここではミッション・ビジョン・バリューの必要な理由について考えていきましょう。
企業の目指す将来像として
ミッションとビジョン、そしてバリューの中で、未来を占う意味で一番重要なのがビジョンだとされています。ビジョンにより企業が目指す将来像がイメージされ、それに向かって志を持ったスタッフが集います。
自分たちがどんな暮らしや人生を歩みたいのかがわからないと、単に給料をもらえばそれでいいという働き方になってしまいます。かつてのバブル崩壊によって、それは間違いであると世の中は既に学習しているはずだからです。
社員のモチベーションアップとして
ミッションやビジョン、バリューが確実に分かっていて浸透していれば、その企業に属するスタッフはやる気を見せて、毎日の仕事に臨みやすくなります。肝心なことは、そのミッション、ビジョン、バリューが現場の意識を理解しているものでなくてはなりません。
上層部で外向けに考えた机上の空論では、スタッフは信用しなくなります。ミッションやビジョン、バリューが本物であれば、スタッフはすぐに退職することもありません。
生産性アップのため
ミッションやビジョン、バリューを正しく定めている企業のほとんどが名の知れた大企業です。業績が向上して会社規模も向上しているところばかりです。その理由は、各スタッフが仕事を自分ごとで捉え、コミットメントを持っていることからきています。
おそらく仕事に対するモチベーションから始まり、組織の一員でありながら自分がその代表格であると意識しながら遂行しているからです。自然と生産性も向上していきます。
ミッションとビジョンとバリューのゴールについて
通常、ミッションは大義な内容になっています。簡単に実現させることは困難に近いと言えます。そのためにあるのがビジョンやバリューの役目とも言えます。戦略を立てバリューを提示しながらビジョンの実現を目指すということが道筋です。
ミッション・ビジョン・バリューの中で、とにかくビジョンの達成をゴールにすることが大切です。企業が明確で納得できるビジョンを示せれば、スタッフの行動様式が変わっていきます。
具体的なゴールの有無
ミッションやビジョンを決めるにあたって、最重要なことは具体的なゴールをどこに定めているかです。ゴールがないとスタッフがとん挫してしまう可能性があります。例えば零細企業などは、ただ単に下請けとして仕事をこなすことを繰り返しています。
これといったゴールを定めておらず、ただ回すだけの仕事です。どんな社会的意義を持って到達させたいのか、そのためにもミッション、ビジョン、バリューを確かめなくてはなりません。
ミッションの実現
ミッションとは、組織が社会へ果たすべき使命・役割のことを指します。謳い文句はかなり広義な内容のものが多く存在します。大義名分と言い換えても良いでしょう。その企業のイメージにも関わる正統性のあることを中心に置いていますが漠然としています。
そこでミッションをより具体的に落とし込んで目標化するために必要となってくるのがビジョンです。ビジョンを目指して戦略的に行うためのツールとなるのがバリューとなります。
ビジョンは目的でありゴール
組織にとってビジョンこそ目指すべきゴールです。その企業がなろうとしている姿、描こうとしている未来そのもの、あるいは着地点です。ミッションが広義な理念やポリシーであることに対して、ビジョンは到達したい状態です。
そこでまずはビジョンを決めることが先決です。その上で、どのようなポリシーや理念で取り組んでいきたいのかをミッションとして決め、どんな価値観を戦略的にを取り扱うのかをバリューとして決めます。
組織内の価値観の共有が重要
企業の理念となるミッションが決まって社会的意義を見出し、具体的な目標とするビジョンもあるとしたら、後はさっそく実行するの観です。
しかしその前にどのような戦略や武器を持って挑んでいくのかを決めなければなりません。
そこで登場するのがバリューです。バリューは行動の判断基準や指針となる価値観です。規則やルールを決める際の重要なツールです。価値観はその企業内のすべてのスタッフが共有していることが大切です。
経営理念に重要なミッションとビジョンとバリュー
以上、企業運営にとって近年重要視されてきているミッション、ビジョン、バリューの3点についての特集でした。ミッションとビジョンは特にホームページなどに掲載して、誰でも閲覧できる状態にしている企業が目立ちます。
その組織がどれほど仕事に対して真剣に取り組みそれをモットーにしているのか、バロメーターとしても比較できますので、時間があればいろいろいな企業のミッションやビジョン、バリューを確かめてみましょう。
株式会社PHONE APPLIのパーパス
人々がいきいきと働く社会を実現する
PHONE APPLI のパーパスは、人々がいきいきと働く社会を実現することです。
そして、PHONE APPLI が、何のために、何を目指し、どのように考え、どのように行動し、何をする存在であるか、これを示す指針・共通言語が、下記のPHONE APPLI SHIPです。
このPHONE APPLI SHIPは、私たちの会社が、何のために、何を目指し、どのように考え、どのように行動し、何をする存在であるか、これを示す指針であり、共通言語です。PHONE APPLIメンバーは、それぞれ人格を持つ個人ですが、PHONE APPLI SHIPを軸に、同じ船に乗っている仲間として意識を共有し、それぞれが持つ特徴を発揮しながら、全員で、全力で、力を合わせて船を前進させてゆきたいと考えています。
PHONE APPLI SHIP は、PHONE APPLI を表現する最重要要素であるパーパスを筆頭に、PHONE APPLIが大切にしている要素を順序立てて表現しています。図のように、「パーパス」「ビジョン」「カルチャー」「ピープル」「ショーケース」「ミッション」といった指針の集合体として考えています。
PHONE APPLIの働き方を体感できる「オフィスツアー」
テレワークを始めとした、働き方改革推進の取り組みを社外へ発信しており、過去5年以内で2,500社以上の企業様がオフィスにお越しいただき、最もパフォーマンスが出せる働き方「ルール」「ツール」「プレイス」のフレームワークをご紹介しています。
我々のオフィスは『CaMP(Collaboration and Meeting Place)』とよんでおり、"対面し共創する場所"を意味しています。スノーピーク社のテントや、グリーンの視認率を25%にしたり、100%天然成分の製油を入れたアロマディフューザーをあちこちに設置したり、山で収録してきた鳥のさえずりを流したりして、自然を感じられるようなアウトドアを強く意識したオフィスになっています。
実際にキャンプで使われる持ち運び容易な椅子や机を利用することで、オフィス空間の有効活用が可能なほか、観葉植物やアロマディフューザー小鳥のさえずり音などの設備を整えることで、社員のストレス軽減を意識しています。
ほぼすべての席がフリーアドレスにしており、社内には至るところにビデオ会議の環境が用意しています。集中して働きたい場合は「Concentration」、ブレストしやすい「Fami-ress」、セミナーを開きたい時は「Park」、暑い時は「PA bar」、ここはエアコンの吹き出し口でスゴく涼しいです。もちろん自宅で働くのも自由です。その時々に応じて、社員が最もパフォーマンスを出せる場所で働ける選択肢を提供しています。
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社員の幸せを追求することは奉仕だと思っていないでしょうか?幸せな社員たちは価値ある商品やサービスを生み出すクリエイティビティの源泉になり、企業の成長につながることが証明されています。
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