フリーアドレスの問題点と対策!コロナ禍で意識したいポイントについても解説
「フリーアドレス化における問題点と対策について知りたい」
「問題点や懸念点を解消した上で、導入を検討したい」
「フリーアドレスでの感染対策のポイントも知っておきたい」
ここ2〜3年での新型コロナの感染拡大をきっかけに、フリーアドレスを導入する企業が増加しました。フリーアドレス導入を考えている企業の中で、「いきなり導入するのは不安」「まずは問題点を知りたい」とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、フリーアドレス効率化ツールを提供する当社が、以下のポイントを中心にお伝えします。
ぜひ本記事の内容を、自社のフリーアドレス導入・運用にお役立てください。
フリーアドレスが抱える5つの問題と対策
それでは早速、フリーアドレスが抱える問題と対策をご紹介します。最近注目されているフリーアドレスですが、導入後に課題を感じる企業は多いです。具体的には次のような問題点があります。
1. 従業員の居場所がわからない
フリーアドレスでは自席が決まっていないため、「従業員の居場所がわからない」という問題が起こりやすいです。
出勤して在席している従業員もいれば、テレワーク、外回り営業などをしてデスクにいない従業員などさまざまです。誰がどこにいるか把握できないために、ミーティングの予定が組みにくくなるなどの悩みが生まれます。
【対策】座席管理ツールを導入する
座席管理ツールの導入が有効です。座席管理ツールとは、従業員のオフィス在席状況や出退勤状況などを把握できるツールです。
従業員を探す手間を省けたり、労務管理がスムーズになったりと、フリーアドレスの効率化に役立ちます。座席管理ツールの詳細については以下の記事で解説しているので、ぜひご参考ください。
2. 社内コミュニケーションが希薄になりやすい
従業員同士が顔を合わせる機会が減るため、社内コミュニケーションが希薄になりがちです。直接会って話す機会が減ることで、プロジェクトの進捗状況の把握や業務のフォローなどがしにくくなり、フリーアドレス前よりもトラブルやミスにつながりやすくなります。
【対策】ミーティングやチャットで交流を図る
直接会うことが難しい場合は、「オンライン」を活用します。短い時間でもよいので、ビデオ会議ツールで雑談を兼ねたミーティングや、上司と部下で1on1ミーティングを行うなど、話す機会を設けましょう。
また、チャットツールの活用も効果的です。何気ない会話を、いつでも、誰でも投稿できる「雑談ルーム」といったグループを作り、従業員とのコミュニケーションを図りましょう。
3. 席が固定化する
フリーアドレスは席が自由です。「どこに座っても良い」といわれると、逆に「どこに座って良いかわからない」と思う従業員もいます。
その結果、フリーアドレスにしたにもかかわらず、毎日同じ席に座るという事態に。席が固定化すれば、本来のフリーアドレスのメリットが半減する可能性があります。また、従業員によっては「自席がない=自分の居場所がない」と感じる場合もあります。
【対策】座席ルールを決める
席を完全自由にせず、あえてルールを設けましょう。たとえば、毎日ルーレットで席を決める、1週間ごとに座席を変えるなど、意図的に座る場所が変わる仕組みを作ることが大切です。
あえてルールを設定することで、「どこに座れば良いかわからない」という従業員の精神的な負担軽減にもつながります。
4. 従業員の生産性が下がる場合がある
フリーアドレスの導入で、かえって生産性が下がる場合もあります。オープンな場所で自由に働けるものの、なかには「周囲の雑音が気になって集中できない」といった従業員もいます。人によっては集中力が妨げられ、かえって生産性が下がってしまうのです。
【対策】オフィスレイアウトを工夫する
対策として、オフィスレイアウトの工夫があげられます。たとえば、オープンスペース以外に「一人専用の半個室席」を作ったり、「電話専用ブース」を作るなどです。
雑音に気を配りたい場合は、「私語禁止エリア」を設けても良いでしょう。このようにフリーアドレスは、従業員一人ひとりが仕事に集中できるオフィスレイアウトを考える必要があります。
5. 書類や郵便物の収納が難しい
「書類や郵送物をどこに収納するか?」といった問題点もあります。フリーアドレスは自席がないため、個人の書類を置きっぱなしにしたり、これまでデスクに配布していた郵送物を置くことができません。
書類だけでなく、文房具など業務に必要なアイテムを置くことも難しくなります。
【対策】ペーパーレス化を進める
対策として、個人のパーソナルロッカーに「投函口」をつける、エントランスの近くに郵送物専用の棚を設置するなどの方法があげられます。
文房具の場合は、共通できる物品は統一して、「文房具ステーション」を作るなどが有効です。また、書類自体を削減するために、全社的に「ペーパーレス化の促進」も、フリーアドレスの効果を促進できます。
座席管理やコミュニケーション、ペーパーレス化など、フリーアドレスを円滑に進めるには、オンラインツールの利用がおすすめです。具体的にどのようなツールがあるのか下記の記事でお伝えしているので、ぜひご参考ください。
【コラム】フリーアドレスの悩みは、「誰がどの座席にいるかが分からない」が56%で最多
2023年8月のフリーアドレスに関する実態調査によると、7割以上の企業がコロナ禍以降フリーアドレスを導入したようです。また、フリーアドレスの課題については、「誰がどの座席にいるかわからない」が56.3%、「座席が足りないときがある」が50.5%と過半数を占めていました。
※ IDEA TECH 「フリーアドレスに関する実態調査」(2023年8月)
フリーアドレスに向いている企業・向いていない企業
問題点を把握して対策する以前に、フリーアドレスには向き不向きがあります。そもそも自社がフリーアドレスに向いていなかった場合、導入してもうまくいかないでしょう。ここでは、フリーアドレスに「向いている企業」と「向いていない企業」について解説します。
【向いている企業】従業員の在席率が低い企業(部署)
従業員の在席率が低い企業(部署)として、以下のものがあげられます。
- 外回りの多い営業
- 会議が多い企画部門
- ソフトウェア開発など
外回りがメインの営業は、基本的に従業員がオフィスにいないため、座席を少なめに設定できます。会議が多い企画部門では、会議やミーティングが主となります。
これらをオンライン化すれば、オフィスで直接会って会議やミーティングをする頻度が減ります。ソフトウェア開発もモバイルワークが基本なので、必ずしもオフィスの席で働く必要がありません。
上記のような部署は、オフィス外で働くことができるため、フリーアドレス導入がスムーズです。
【向いていない企業】職人業務やセキュリティレベルの高い業務の多い企業(部署)
現場仕事やセキュリティレベルの高い業務の多い企業(部署)として、次のものがあげられます。
- 工房などの職人業務
- 他部署と共有できないプロジェクト
工房などの職人業務は、専用の設備や道具が必要なので固定席が必須です。また、機密性や公共性の高い情報を扱うなどで、「他部署と共有できないプロジェクト」を行う場合も、固定席もしくは特定の部屋が必要になるでしょう。
フリーアドレスの問題を解消した事例2選
フリーアドレスの問題解決のイメージを掴んでいただくために、ここでは実際の企業事例をご紹介します。
当社が提供する居場所を表示させるサービスである「PHONE APPLI PLACE(旧:居場所わかるくん)」の導入によって、フリーアドレスの問題を解消した企業をピックアップしました。ぜひ自社のフリーアドレス導入にお役立てください。
JX金属株式会社
JX金属株式会社は、銅を中心とした非鉄金属製品の製造・販売を行なっている会社です。2020年6月の本社移転にともない、フリーアドレスを取り入れたといいます。同時にWeb電話帳サービス「PHONE APPLI PEOPLE(旧:連絡とれるくん)」と、位置情報を共有できる「PHONE APLLI PLACE(旧:居場所わかるくん)」を導入していただきました。
【ポイント】
- ガラス張りの会議室や自由に使えるラウンジなど、コミュニケーションを活発化させるオフィスレイアウトにした
- お互いの位置情報が即座にわかるため「どこにいるかわからない」が解消された
- オフィスの混雑状況も把握できるため、コロナ禍における三密回避にも役立っている
同ツールの導入によって「誰がどこにいるのかわからない」が解消され、社内コミュニケーションが活性化された事例です。
株式会社ソフトクリエイトホールディングス
株式会社ソフトクリエイトホールディングスは、IT基盤のコンサルティングをはじめ設計・構築・保守・運用までのトータルサポートをおこなう会社です。
新型コロナウイルスの影響によって、200人あまりの従業員をテレワークに移行した同社ですが、その直前に「PHONE APPLI PLACE(旧:居場所わかるくん)」を導入しました。
【ポイント】
- 現在位置の表示によって、誰がどこにいるのかが一目でわかるようになった
- 話したい相手と即座につながれるため、コミュニケーションコストが大幅に削減された
- 在宅勤務中もオフィスにいるのと遜色ない状況で仕事ができるようになった
「PHONE APPLI PLACE(旧:居場所わかるくん)」には、オフィスレイアウト上に社員の現在位置が表示される機能が備わっています。
同機能によってコミュニケーションロスが減り、テレワークでもオフィス出勤と遜色ない仕事ができるようになった事例といえます。
フリーアドレスでは「密にならないこと」も重要!
コロナ禍以降においても、フリーアドレス導入のポイントとして以下のものがあげられます。
- 座席設定率を70〜80%に設定する
- グループアドレスを活用する
- 個人ロッカーやペーパーレス化の促進
1. 座席設定率を70〜80%に設定する
座席設定率とは、従業員数(フリーアドレスの対象者数)に対するオフィスの座席数の割合です。オフィス内での座席感の距離も踏まえつつ、座席設定率を70〜80%に設定しましょう。
座席設定率は「従業員数÷座席数×100」で求めることができます。たとえば、従業員が100人いて座席を80席用意した場合、座席設定率は80%となります。
部署によって座席設定率を変えても良いでしょう。たとえば、直帰や外出の多い営業部では座席設定率を低めに、事務職は高めに設定するなどです。従業員の労働環境に合わせて設定するのがポイントです。
2. グループアドレスを活用する
グループアドレスとは、指定された範囲内の席に座る方式です。席を完全自由にするのではなく、「グループA」「グループB」のようにエリア分けし、座席を各エリアに振り分けます。
グループ分けすることで、感染者が出た場合の濃厚接触者の特定がしやすくなります。会社の規模によって異なりますが、1グループあたり数人~十数人程度で座席を管理しておくのが良いでしょう。
3. 個人ロッカーやペーパーレス化の促進
感染対策の観点からも、個人ロッカーやペーパーレス化は有効です。大人数が利用できるロッカーよりも、個人限定のパーソナルロッカーの方が感染リスクは低いです。
また、ペーパーレス化は感染対策に有効です。書類を共有するときに、紙だと人から人への「手渡し」が必要となります。その時に感染する可能性があるため、ペーパーレス化は有効といえます。営業資料や請求書、申込書、日報など可能な範囲でペーパーレス化を進めておきましょう。
【製品紹介】誰がどこに居るか?分かる
フリーアドレスと合わせて導入したいのが位置情報共有ツールです。誰がどこにいるのかを簡単に把握できるので、探したい人をすばやく見つけてコミュニケーションを取ることができます。
PHONE APPLI PLACEは、無線Wi-FiやBeaconなどの技術を用いて、社員の位置情報を見える化するサービスです。
【PHONE APPLI PLACEの機能】
- 社員の位置情報をオフィスマップ上に表示。従業員の居場所とともに顔写真が表示されるので、話したい相手の居場所が即座に分かります。
- 居場所だけでなく「顔+名前+プロフィール」、職務内容や資格、趣味まで分かるので、隣に座ってる人がどんな人か分かったり、初対面の人でもコミュニケーションが取りやすくなります。
- 社員の所在が分かるので、今日は「テレワークor出社」なのかもすぐに分かります。
【無料資料ダウンロード】フリーアドレスでよくあるお悩み解決ガイド
フリーアドレス化に伴う課題と解決方法(居場所、人探し、コミュニケーション活性化)をご紹介します。
【まとめ】フリーアドレスの対策について
本記事では、フリーアドレスの対策について以下のポイントを中心にお伝えしました。
- フリーアドレスには「誰がどこにいるのかわからない」「コミュニケーションが希薄になりやすい」などの問題点がある
- 対策はさまざまだが、座席管理ツールやチャットツールの活用が効果的
- 従業員の在席率が高い企業(部署)はフリーアドレスに向いている
- 職人業務や機密性の高い情報を扱う企業はフリーアドレスに向いていない
フリーアドレスにはメリットがある反面、いくつかの問題点がありますが、ツールの導入やオフィス環境の整備などで対策可能です。また、自社がフリーアドレスに向いている業態なのか、そうでないかも確認しておくことが大切です。ぜひ本記事の内容を、自社のフリーアドレス導入・運用にお役立てください。
無料トライアルを提供しているツールも多いので、一度お試しで利用して、ツールの使用感を体験してみてはいかがでしょうか。