社員台帳をデータベース化するときに必要な項目とは?
「従業員数が増えたこともあり、社員台帳を紙で管理する負担が大きい」
「社員台帳をデータベース化したい」
「データベース化に必要な項目や注意すべき点があれば知りたい」
社員台帳は、氏名や住所など従業員の情報が記載された書類のことです。「社員名簿」ともいわれ同義で、労働基準法で作成と管理が義務付けられています。しかし、紙での管理では、作成や管理に手間がかかるのが実情です。
そこで本記事では、「社員台帳のデータベース化」について、以下のポイントを中心にお伝えします。
従業員や顧客情報を管理できる「Web電話帳」を提供している当社が、社員台帳のデータベース化について詳しく解説します。ぜひお役立てください。
尚、「社員名簿」の概要については以下の記事で詳しく解説しています。
社員台帳をデータベース化するときに必要な項目とは?
社員台帳=紙のイメージがありますが、エクセルや管理ソフトなど「データベース管理」でも問題ありません。厚生労働省の公式HPでも、「一定の条件をクリアしている場合、電子保存しても良い」とされています。
記載項目や保管期間は紙と変わらない
社員台帳の記載項目や保管期間については、データでも紙でも同様です。記載項目については「必須項目」と「任意項目」に区別できます。
【記載項目(必須)】
- 氏名、生年月日、性別
- 住所
- 履歴
- 業務の種類、雇入の年月日
- 対象の年月日とその理由
- 死亡の年月日とその理由
【記載項目(任意)】
- 社員番号
- 連絡先
- 学歴や資格
- 緊急連絡先(★)
- 健康保険や厚生年金などの番号と取得日(★)
※『★』は特に重要(多くの会社が記載している)
【保管期間】
- その従業員が在籍している限り保管し続ける
- 退職や解雇、死亡があった場合は「起算日から3年」の保管が義務
いつでも紙で提出できる状態にしておく
社員台帳には提出義務はありませんが、もし監査が入った場合、「紙」での提出が求められます。そのため、いつでも紙で提出できる状態にしておく必要があります。
監査が来る日時に合わせて、印刷しておきましょう。また、普段からデータをPDFに書き出して保存しておくなどの対策をしておいてください。
社員台帳の詳しい書き方については、こちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひご参考ください。
社員台帳をデータベース化する4つのメリット
社員台帳をデータベース化することで、業務効率は大幅に上がるでしょう。では具体的に、どのようなメリットを享受できるのか、ここで詳しく解説します。特に押さえておきたいのは以下の4つです。
- 検索性が向上する
- 印刷や保管コストの削減
- 人材育成に役立つ
- 人事評価の最適化
1. 検索性の向上
3つ目は、検索性の向上です。紙管理の場合、特定の情報にたどり着くまでに時間がかかります。従業員数が増えれば管理も複雑になり、「どこにあるのかわからない」という状態になってしまうでしょう。
データベース化しておけば、そうした「探す手間」を省くことができます。特定のキーワードや条件で検索できるため、必要な情報をすぐに入手可能です。
2. 印刷や保管コストの削減
4つ目は、印刷や保管コストの削減です。データベース化によって大量の紙を保管する必要がなくなり、オフィスの省スペース化につながります。必要な時だけ紙で印刷すれば良いので、印刷コストも抑えられるでしょう。
企業における重要書類は社員台帳だけではありません。会計や財務、給与、福利厚生、勤怠管理など、保管しなければならない書類は膨大です。
これらを保管するためには、相応のスペースが必要になる上に、棚やキャビネットの購入費用もかかります。データベース化することで、その問題を軽減することにつながります。
3. 人材育成に役立つ
1つ目は、従業員の人材育成に役立つことです。人材を育てるためには、社内の教育体系を構築し、一人ひとりに合ったキャリアプランを作成する必要があります。実際に教育を実施し、その効果も測定しなければなりません。
一人ひとりの進捗をその都度確認するのは、会社や上司にとって大きな手間です。そこで「データベース化された社員台帳」が役立ちます。誰がどの業務をどのくらいできるのか、どこまでキャリアプランを達成しているのか、一覧でチェック可能です。また、自社の従業員だけでなく、採用活動の効率化にも役立つでしょう。
4. 人事評価の最適化
2つ目は、人事評価の最適化です。社員台帳をデータベース化することで、人事評価を「見える化」できます。
一般的な人事評価では、誰が評価を行うかで評価基準にバラつきが生まれやすいです。そのため、従業員に対する給料やインセンティブの支払いが、不適当になってしまうケースも少なくありません。
データベース化によって公正な評価ができるようになります。評価レベルごとの絞り込みやノルマ達成の有無なども確認可能です。公正な評価によって、従業員も「納得感」を得られ、ES(従業員満足度)の向上にもつながるでしょう。
自社に最適な人事管理システムを選ぶ4つのポイント
エクセルや管理ソフトなど、社員台帳をデータベース化させる方法は複数あります。特におすすめしたいのが「人事管理システム」です。
人事管理システムには、社員台帳をはじめ勤怠管理や給与管理など、人事に関するあらゆる管理機能が搭載されています。ここでは、システムを選ぶ際の4つのポイントをお伝えします。
- 自社の運用目的に合っている
- 誰でも簡単に操作できる
- セキュリティ対策が万全
- サポート体制が充実している
1. 自社の運用目的に合っている
1つ目は、自社の運用目的に合っていることです。人事管理システムには、社員台帳の他にさまざまな機能が備わっています。そのため、なぜシステムを導入したいのかという目的を明確にしておく必要があります。
【目的の例】
- 2〜3年目の中堅社員の育成にコミットしたい
- 従業員数が増えたことによる入力ミスをなくしたい
- 連携機能を活用して作業工数、人件費を削減したい
会社によって、人事管理システムの活用方法はさまざまです。人材育成やヒューマンエラーの防止、連携機能による工数削減など、多くの効果が期待できます。効果を出すためにも、まずは目的を明確にし、自社に合ったシステムを選びましょう。
2. 誰でも簡単に操作できる
2つ目は、誰でも簡単に操作できることです。システム選びにおいて「操作性」は重要なポイントとなります。システムを導入したからといって、全員がすぐに使えるわけではありません。
なかには、ICTシステムに不慣れな担当者もいるでしょう。そういった場合にシステム操作が複雑だと、担当者が使いこなすまでに時間がかかってしまいます。かえってデータベース化が足枷になってしまう可能性もあります。
操作性だけでなく、「管理画面の見やすさ」も重要です。担当者がスムーズに作成・管理できるようにするためにも、見やすく、扱いやすいシステムを選ぶようにしましょう。
3. セキュリティ対策が万全
3つ目は、セキュリティ対策が万全であることです。人事管理システムのセキュリティ機能として、以下のものがあげられます。
- システムにおける送受信データの暗号化
- トラブルに対する監視・検知
- ファイアウォールなどによる不正アクセス防止etc
最低限、上記の機能が揃っているシステムを選んでください。ただ、自社が求めるセキュリティレベルが高ければ、追加で別のツールを導入する必要があるでしょう。
追加が必要かどうかを判断するためにも、まずは人事管理システムのセキュリティ内容をしっかりと確認しておいてください。
4. サポート体制が充実している
4つ目は、サポート体制が充実していることです。初めて人事管理システムを導入すると、「そもそも使い方がわからない」「トラブルの対処法がわからない」など、さまざまな悩みが出てきます。
不明点やトラブルを解決するためにも、サポート体制が充実していることは大切です。電話やチャットによるアドバイス、システムの導入支援、さらには代行サービスまで、システムによって内容は異なります。
導入後にトラブルが起こっても対処できるよう、サポート体制が充実したシステムを選びましょう。ICTシステムに不慣れな従業員が多い場合は、尚更サポート体制は重要です。
【コラム】データベース化は便利。しかし社員台帳は「個人情報」なので細心の注意を払いましょう
社員台帳をデータベース化することで、社内の業務効率は大きく上がるでしょう。しかし、社員台帳は「個人情報」であることを忘れてはいけません。社員台帳を扱う際は、次のことには十分注意しましょう。
- 利用目的を特定しておく
- 本来の目的以外では本人の同意が必須
- 要配慮個人情報には十分に気をつける
社員台帳の情報は、社会保険や税務など各種手続きの際に必要です。そのため、従業員に対して「社会保険の手続きのために必要」など、必ず利用目的を伝えておきましょう。
「取引先から自社従業員の電話番号を教えてほしいと言われた」など、本来の目的以外で個人情報を教える場合は、必ず本人の同意が必須です。
また、本人の人種や信条、診療情報などの「要配慮個人情報」には十分気をつけましょう。要配慮個人情報を取得する場合は、本人の同意はもちろん、非常にセンシティブな情報なので、一段と高い規律で扱う必要があります。
社員台帳における個人情報の取り扱いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひご参考ください。
【ツール紹介】多様な働きかたを可能に!コラボレーションツール「PHONE APPLI PEOPLE」とは
PHONE APPLI PEOPLEとは、テレワークやハイブリッドワーク、フリーアドレスなどの働き方を推進させる機能をもつ働き方DXサービスです。具体的には以下のような機能があります。
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- サンクスカード:感謝や称賛を伝え、個人/チームの活躍を可視化できます
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- クラウド電話・PBX連携
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【まとめ】社員台帳のデータベース化について
本記事では、社員台帳のデータベース化について、以下のポイントを中心にお伝えしました。
- 社員台帳の記載項目や保管期間は、データでも紙でも変わらない
- データベース化しても「いつでも紙で提出できる状態」にしておきましょう
- 社員台帳のデータベース化は、人材育成や人事評価、保管コスト削減などにつながる
- 社員台帳のデータベース化には「人事管理システム」の導入がおすすめ
- 自社の運用目的を明確にした上で、操作性やセキュリティ面、サポート体制が充実した方法を選びましょう
社員台帳は、従業員数が増えるにつれて管理の負担が大きくなり、紙のままでは限界を感じるようになるでしょう。お伝えしたように、社員台帳のデータベース化には、「人事管理システム」の導入がおすすめです。社員台帳機能はもちろん、勤怠管理や給与管理などさまざまな機能が搭載されています。
必要な機能を見極めつつ、自社に最適なデータベース化を行いましょう。ぜひ本記事の内容を、自社の社員台帳作成にお役立てください。