ハイブリッドワークのメリットや導入時のポイントとは?成功事例を交えてご紹介
「ハイブリッドワークを導入したいけど、正直うまくいくか不安」
「導入前に、もう一度メリットや事例など詳しい内容を押さえておきたい」
「ハイブリッドワーク導入後の具体的な成功イメージを掴んでおきたい」
本記事はこのような方に向けて執筆しています。コロナ禍で注目されているハイブリッドワークですが、具体的な内容まではあまり知られていません。
なかには、「導入したいけど、うまくいくか不安・・」という方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、以下の内容をお伝えします。
「そもそもハイブリッドワークって・・?」と疑問をお持ちの方は、こちらの記事も併せてご参考ください。
ハイブリッドワークがもたらす10のメリット
早速、本題である「ハイブリッドワークのメリット」を見ていきましょう。ここでは、企業側と従業員側それぞれのメリットをお伝えします。
企業側のメリット5つ
企業側のメリットとして、以下の5つがあげられます。
- スペースの有効活用
- 従業員の退職防止
- 優秀な人材の確保
- 賃料や交通費などのコスト削減
- 業務のムダを削減
1. スペースの有効活用
1つ目は、スペースの有効活用です。ハイブリッドワークでは、必ずしも全員がオフィスで働く必要がないため、座席スペースを削減できます。余ったスペースに集中ブースや休憩スペースを作れば、いま以上に従業員も働きやすくなるでしょう。
2. 従業員の退職防止
2つ目は、従業員の退職防止です。ハイブリッドワークでは、オフィスワークとテレワークの頻度を個人が選択できます(個人の決定権は企業によりますが)。
たとえば、子育てや介護との両立が必要な場合、ハイブリッドワークによって在宅勤務が可能となるため、時間的・体力的な負担が大幅に軽減されるでしょう。働きやすい環境を作ることで、従業員が「この会社にもっと居たい」と思うようになり、結果、退職防止につながるのです。
3. 優秀な人材の確保
3つ目は、優秀な人材の確保です。社内にハイブリッドワークが浸透すると、「新しい働き方を積極的に取り入れる企業」として認知されるようになるでしょう。
ハイブリッドワーク実施の旨を採用ページに掲載すれば、就職希望者にも「先進的な会社」という良い印象を与えられるはずです。結果、優秀な人材も集まりやすくなります。
4. 賃料や交通費などのコスト削減
4つ目は、賃料や交通費などのコスト削減です。座席数を減らしてオフィスを縮小すれば、オフィス賃料を削減できます。交通費も同様です。テレワークの比率が大きくなるため、従業員がオフィスに来るまでの交通費も大幅に削減できます。
5. 業務のムダを削減
5つ目は、業務の無駄を削減できることです。たとえば、直接会う必要のない会議をオンラインで行ったり、書類をクラウド管理にするなど、業務上のムダを大幅にカットできます。ムダな時間を削減する分、本業や新規事業にコミットできるでしょう。
従業員側のメリット5つ
従業員側のメリットとして、次の5つがあげられます。
- 生産性の向上
- 仕事に対する主体性の向上
- ワークライフバランスの安定
- 移動負担の軽減
- 適度な距離感でコミュニケーションを図れる
1. 生産性の向上
1つ目は、生産性の向上です。業務によっては、オフィスで直接コミュニケーションを取った方がスムーズに進んだり、自宅で黙々と作業した方が集中できたりします。業務に応じて適切な働き方を選択することで、従業員の生産性アップにつながるのです。
2. 仕事に対する主体性の向上
2つ目は、仕事に対する主体性の向上です。オフィスワークとテレワークの選択肢を与えることで、この業務に最適な働き方は何か、従業員自身で判断できるようになります。
また、オンライン化を進めることで、ムダな業務が洗い出され改善できます。そのため、従業員自ら業務を見つけたり、自分は何をやるべきかを考えられるようになるなど、一人ひとりの主体性向上が期待できるでしょう。
3. ワークライフバランスの安定
3つ目は、ワークライフバランスの安定です。育児や介護との両立を必要とする従業員にとって、「テレワークが可能かどうか」は重要な基準です。なかには、「家族との時間を大事にしたい」という人も多いでしょう。
ハイブリッドワークでは、自分のライフスタイルに合わせた働き方を選択できるため、プライベートも充実しやすくなります。
4. 移動負担の軽減
4つ目は、移動負担の軽減です。ハイブリッドワークでは、従業員がオフィスに行くまでの時間的コスト、経済的コストの両方を削減できます。
移動の負担は意外と大きいものです。通勤費や出張費など、費用もかさみます。また、移動は思った以上に疲労が蓄積するため、、従業員に負担をかけてしまいます。
ハイブリッドワークを導入することで、それらを軽減できるため、日々の生産性向上にもつながるでしょう。
5. 適度な距離感でコミュニケーションを図れる
5つ目は、適度な距離感でコミュニケーションを図れることです。オフィスワークだけだと、毎日同じ従業員同士で顔を合わせるため、どうしても距離が近くなります。距離が近いあまり、なれ合いになってしまい、かえって業務効率が悪化する場合もあります。
その点ハイブリッドワークは、オフィスとテレワークを自由に選択できるため、適度な距離感でコミュニケーションを取ることができます。
ハイブリッドワークで気をつけたい6つの注意点
ハイブリッドワークには多くのメリットがある一方、気をつけたい点もあります。特に、以下の6つの点は意識しておきましょう。
- 従業員の行動を把握しにくい
- 勤怠管理が煩雑になりやすい
- 社内コミュニケーションが減少しやすい
- 会社に対する帰属意識が低下しやすい
- 急なトラブルへの対応に弱い
- 評価が不公平になりやすい
1. 従業員の行動を把握しにくい
1つ目は、従業員の行動を把握しにくいことです。ハイブリッドワーク下では、オフィスにいる従業員もいれば自宅にいる従業員もいます。各々がバラバラに動いているため、誰が何をしているのか見えにくくなります。
解決方法として、GPS機能の付いた居場所を把握できるツールなどの活用などがあげられます。
2. 勤怠管理が煩雑になりやすい
2つ目は、勤怠管理が煩雑になりやすいことです。ハイブリッドワークでは、従業員がさまざまな場所で働くため、欠席や勤務開始時間、営業の外回りや内回りなど、勤怠状況が見えにくくなります。
解決方法として、クラウドで一元管理できる勤怠管理ツールの導入などがあげられます。
3. 社内コミュニケーションが減少しやすい
3つ目は、社内コミュニケーションの減少です。ハイブリッドワークを導入すると、多くの場合、これまでのコミュニケーション方法では意思疎通が難しくなります。
対面で話す機会が減るため、思いが伝わらなかったり、解釈の違いによる伝達ミスが起きたりと、従業員同士のすれ違いが生まれやすくなるのです。
そのため、連絡方法や情報共有の仕方について、あらかじめルールを定めておきましょう。たとえば、チャットツールで「雑談ルーム」を作るのもおすすめです。
4. 会社に対する帰属意識が低下しやすい
4つ目は、会社に対する帰属意識の低下です。ハイブリッドワーク導入によって、オフィスワークに積極的な従業員と、テレワークに積極的な従業員に二分化する可能性があります。
コミュニケーションを取る機会も減り、上司との意思疎通がうまくいかないなど、仕事そのものが辛くなってしまう従業員も出てくるかもしれません。仕事に楽しみを見いだせないと、会社に対する帰属意識も薄まってしまいます。
5. 急なトラブルへの対応に弱い
5つ目は、急なトラブルへの対応に弱いことです。たとえば、担当者がテレワークで不在の日に緊急連絡が入ったり、急なトラブルが起きた場合、対応が難しくなります。
そのため、担当者がテレワークの場合は、プロジェクト状況を知っている同じ部署の従業員をオフィスワークにするなど、一定のルール化が必要になるでしょう。
6. 評価が不公平になりやすい
6つ目は、評価が不公平になりやすいことです。従来のオフィスワークであれば、従業員の態度や姿勢を評価できますが、テレワークだと難しくなります。「ほとんど会っていない部下をどう評価すべきか」と悩む方も多いのではないでしょうか。
ハイブリッドワーク下では、評価を「見える化」させることが重要です。たとえば、チャットやビデオ会議ツールを使って進捗や成果報告をしてもらうなどの方法です。
オフィスワークにおける部下の態度や姿勢と、具体的に何をしたかの成果をバランス良く取り入れるのが良いでしょう。
ハイブリッドワークの課題と解決方法については、こちらの記事でさらに詳しく解説しているので、ぜひご一読ください。
ハイブリッドワーク導入企業の成功事例
ハイブリッドワークのメリットや注意点をお伝えしましたが、それだけではイメージも掴みにくいかと思います。そこで本章では、実際にハイブリッドワークを導入した企業の事例をご紹介します。
株式会社ぐるなび
画像引用:株式会社ぐるなび 公式
株式会社ぐるなびは、飲食店の情報を集めたWebサイト「ぐるなび」を運営する会社です。同社では、新型コロナのパンデミック直後の2020年4月より「働き方進化プロジェクト」を立ち上げ、オフィスの集約をはじめ働き方改革を推進しています。
- 第1→第2フェーズと、段階的にハイブリッドワークを促進
- 440席のフリースペース席を確保
- 部署や個人の判断でオフィスに出社できるように
同社では、ハイブリッドワークを段階的に促進してきました。具体的には、原則リモートワークのみの「第1フェーズ」から、リモートとオフィスどちらも自由に選択できる「第2フェーズ」に移行するといった内容です。
今では「第2フェーズ」に移っており、440席のフリースペース席をすべて解放しています。そのほか部署や個人の判断でオフィス出社の日時を決められるなど、今では社内にハイブリッドワークが浸透しているそうです。
PHONE APPLIのハイブリッド型ワークスタイル
当社PHONE APPLIのハイブリッドワーク事例です。当社では、オフィスを「従業員がもっともパフォーマンスを発揮できる場」と再定義し、会社における「オフィスの価値」を上げることに注力しています。具体的には以下のような取り組みを実施しています。
- キャンプをイメージした、みんなが集いやすいオフィスに
- オフィスは完全フリーアドレス。1on1ミーティング専用のブースも
当社のオフィスは、従業員が集いやすいよう「キャンプ」をイメージしています。森の環境音やアロマの香り、アウトドア風のチェアやテーブルを設置するなど、従業員が働きやすい空間づくりを心がけています。席は完全フリーアドレス制で、出社日時など最低限のルールのみを設定しています。
他の企業の事例も知りたい方は、こちらの記事で「ハイブリッドワークの事例集」を紹介しているので、ぜひご参考ください。
【製品紹介】誰がどこに居るか?分かる
フリーアドレスと合わせて導入したいのが位置情報共有ツールです。誰がどこにいるのかを簡単に把握できるので、探したい人をすばやく見つけてコミュニケーションを取ることができます。
PHONE APPLI PLACEは、無線Wi-FiやBeaconなどの技術を用いて、社員の位置情報を見える化するサービスです。
【PHONE APPLI PLACEの機能】
- 社員の位置情報をオフィスマップ上に表示。従業員の居場所とともに顔写真が表示されるので、話したい相手の居場所が即座に分かります。
- 居場所だけでなく「顔+名前+プロフィール」、職務内容や資格、趣味まで分かるので、隣に座ってる人がどんな人か分かったり、初対面の人でもコミュニケーションが取りやすくなります。
- 社員の所在が分かるので、今日は「テレワークor出社」なのかもすぐに分かります。
【無料資料ダウンロード】フリーアドレスでよくあるお悩み解決ガイド
フリーアドレス化に伴う課題と解決方法(居場所、人探し、コミュニケーション活性化)をご紹介します。
【まとめ】ハイブリッドワークのメリットについて
本記事では、ハイブリッドワークのメリットについて、以下のポイントを中心にお伝えしました。
- 企業側のメリットとして、スペースの有効活用や従業員の退職防止、優秀な人材の確保などがある
- 従業員側のメリットとして、生産性の向上やワークライフバランスの向上、移動負担の軽減などがあげられる
- 一方で、従業員の行動を把握しにくい、勤怠管理が煩雑になりやすい、急なトラブルに弱いなどの注意点も
ハイブリッドワークには多くのメリットがある一方で、注意すべき点も多いです。ハイブリッドワークを導入するためにも、ICTツールの導入やルールの作成など、自社として出来ることを明確にしてみてはいかがでしょうか。
PHONE APPLIの働き方を体感できる「オフィスツアー」
テレワークを始めとした、働き方改革推進の取り組みを社外へ発信しており、過去5年以内で2,500社以上の企業様がオフィスにお越しいただき、最もパフォーマンスが出せる働き方「ルール」「ツール」「プレイス」のフレームワークをご紹介しています。