会社成長につながる、社員を褒めると得られる効果とは?褒め方のコツとNG方法も紹介
「褒められる機会も減り、社員のモチベーションが下がっている気がするので改善したい」
「今、あらためて、"褒める"ことの効果について知りたい」
「社員のモチベーションを上げる褒め方について知りたい」
社員を褒めることは、簡単そうに見えて意外と難しいものです。「部下のやる気を引き出すための褒め方がわからない」と悩む上司、経営者の方も多いのではないでしょうか。
アメリカの心理学者による実験でも、叱るよりも褒めること方が効果的であることが実証されています。マネジメントを行う上でも、上手な褒め方は必須です。
そこで本記事では、「褒める」について、以下のポイントを中心にお伝えします。
社員のモチベーションを引き出すためにも、ぜひ本記事の内容をご参考ください。
【本題】社員を褒めることで得られる効果4つ
ではさっそく本題である、社員を褒めることで得られる効果をご紹介します。とくに押さえておきたい効果は次の4つです。
- 社員のモチベーションUP
- 社員の仕事パフォーマンスが上がる
- 自分自身のモチベーションもUP
- 社内の人間関係が良好になる
1. 社員のモチベーションUP
人には本能的に「承認欲求」が備わっています。誰かに認められることで、もっと頑張りたい、上を目指したいという自己実現の欲求が生まれるのです。
たとえ些細なことであっても、上司が部下を褒めてあげることで、モチベーションが上がり、業務や人間関係など様々なことにプラスに働くでしょう。
2. 社員の仕事パフォーマンスが上がる
褒めることで社員のモチベーションが上がれば、上司のために頑張りたい、会社にもっと貢献しようという気持ちが芽生えます。
仲間のために尽くしたいという気持ちによって、仕事へのやる気がアップし、パフォーマンスが向上するのです。社員全員がそのような状態になれば、チームとしての生産性、やがて企業全体の生産性アップにもつながるでしょう。
3. 自分自身のモチベーションもUP
褒めることで、部下だけでなく「自分自身」のモチベーションも上がります。イメージしてみてください。部下を褒めたあとに部下の嬉しそうな顔を見ると、自分自身も良い気持ちになるはずです。
嬉しい気持ちになるのは、ドーパミン(快楽物質)が分泌されるためです。部下の失敗ばかりに目を向けるのではなく、些細なことでも「褒める」を徹底することで、全員が気持ちの良い状態で働けるようになるでしょう。
4. 社内の人間関係が良好になる
褒められて嫌な気持ちになる人はいません。前述のように、人は褒められるとドーパミンが分泌され、幸せな気持ちになります。
相手から褒められることは、幸福感だけでなく「安らぎ」にもつながります。それが相手に対する信頼感や安心感となり、社内の良好な人間関係につながっていきます。
社員の力を伸ばす褒め方5つ
ここまで褒める効果についてお伝えしましたが、重要なのは「どのように褒めるか?」です。ここでは社員の力を伸ばすための褒め方をご紹介します。特に意識したいのは以下の5つの方法です。
- 気がついたらその場で褒める
- 仕事の過程(努力・姿勢)を褒める
- 具体的に褒める
- 社員の名前を出しながら褒める
- 感謝の気持ちを伝える
1. 気がついたらその場で褒める
褒めるタイミングは、相手が行動をした「直後」がベスト。数日経ってから「あのときは良かったよ」といっても相手は何のことかわかりません。なかには「いまさらどうしたんだ」と思う社員もいるはずです。その場ですぐに褒めてあげることで、相手に思いが伝わりやすくなり、社員の記憶にも残りやすくなるでしょう。
2. 仕事の過程(努力・姿勢)を褒める
褒める際は「結果」を褒めがちですが、実は「過程」を褒めてあげた方が効果的です。
1990年にコロンビア大学で行われた調査をご紹介します。同大学では小学生400人を対象に「褒め方」の調査を実施。子供たちに対してIQテストを2回行い、パターンを下記の3つに分けました。
- 本人の「結果」を褒める
- 本人の「頑張り」を褒める
- まったく褒めない
この調査で分かったことは、「頑張り」を認められたグループが最もチャレンジ精神が高いということです。本人の努力やプロセスを褒めてあげることは、行動そのものへの肯定であるため、また努力をしたい、成果を出したいと思えるようになります。
社員に対しても同様で、本人の仕事に対する姿勢や向き合い方についてしっかり褒めてあげることが大切です。
3. 具体的に褒める
具体的に褒めることも大切です。たとえば部下が優秀なプレゼンをしたとき、「プレゼンすごかったよ!」よりも、「さっきのプレゼン、最初の5分の掴みが良かった。他のメンバーにも伝えてあげたい」など、具体的に褒めてあげた方が、より相手が喜んでくれます。
4. 社員の名前を出しながら褒める
全員がそうではありませんが、本人の名前を出して「人前で褒める」のも一定の効果が期待できます。特に承認欲求が強い社員には効果的です。
たしかに、自分が何か大きな成果をあげたとき、必死に努力しているとき、それを社員全員がいるオープンな場で褒められると、恥ずかしいながらも、うれしい気持ちになります。
なかには大勢の前で褒められるのが苦手な社員もいるので、本人の性格を見ながら、臨機応変に判断しましょう。
5. 感謝の気持ちを伝える
ビジネスシーンにおける「褒める」は「感謝を伝える」でもあります。上司から部下に上から目線で褒めるのではなく、相手に感謝の気持ちを伝えることを意識しましょう。
褒めたあとに、「私も見習いたい」「本当に助かっているよ。ありがとう」などの言葉を添えれば、相手も素直に喜んでくれるはずです。
社員のモチベーションをアップさせる具体的な話し方
褒めることは社員の承認欲求を満たし、モチベーション向上につながります。そのためにも、次のような話し方を意識してみましょう。
- Youメッセージ(社員自身について話す)
- Iメッセージ(社員を見て自分がどう感じたかを話す)
- Weメッセージ(社員によって周囲がどう感じたかを話す)
Youメッセージでは、「あなたは努力家ですね」と本人を直接褒めます。Iメッセージになると、「あなたの努力のおかげで私の負担が減って、とても助かっています」と、相手だけでなく自分がどう感じているかを伝えるのが特徴です。
最後のWeメッセージでは、「あなたの努力する姿勢は社内みんなの鏡です」と、本人によって周りがどう感じているかを伝えます。詳しい内容については以下の記事をご参照ください。
【注意】やると効果激減!社員のNGな褒め方4つ
褒める方法や話し方をお伝えしましたが、反対に「NGな褒め方」もあります。特に以下の4つは押さえておきましょう。
- 自分のきまぐれで褒める
- 社員の努力と無関係なことを褒める
- 褒めるときに上下関係を持ち込む
- 他人と比べて褒める
1. 自分のきまぐれで褒める
気に入っている社員をひいきして褒めるなど、自分の気まぐれで褒めるのはNG。自分の勝手な基準でコミュニケーションを取ると、部下にもすぐに伝わりますし、やがて信頼されなくなってしまいます。
自分の利益ではなく「相手の利益」を優先したコミュニーケーションを意識しましょう。
2. 社員の努力と無関係なことを褒める
褒めることを意識するのは良いですが、何でもかんでも褒めるのはNGです。努力と無関係なことで無闇やたらに褒めると、部下からも不信感を抱かれてしまいます。
人によっては、「この人は私のことを何も知らないのに、口先だけでおだてている」と思ってしまうこともあるでしょう。信頼関係を築くためにも、相手の行動や成果をしっかりと見て、適切に褒めることが重要です。
3. 褒めるときに上下関係を持ち込む
褒めると聞くと、目上の人が目下の人を評価するイメージがあるかと思いますが、そうではありません。
特にビジネスシーンにおいては、相手への「感謝」を伝える言葉として捉えておきましょう。褒める褒められるの関係は対等です。上から目線にならないように意識しましょう。
4. 他人と比べて褒める
他の部下と比べて褒めるのもNG。たとえば「あの人はダメだけど、あなたの成績は良い」といった内容です。自分の中で褒めているつもりでも、この内容では相手は素直に喜べません。
比較するなら、他人ではなく部下本人の過去と比べて、今どのくらい成長しているかなどを評価してあげるのがよいでしょう。
【コラム】褒めると脳内で起こる変化とは?
【参照】新潟大学 脳研究所セミナー 「快楽物質『ドーパミン』の働きを知ろう」
あなた自身、褒められたとき、どのような気持ちになりますか?きっと嬉しい気持ちになるはずです。先ほども少しお伝えしましたが、人は褒められると脳内に「ドーパミン」というホルモンが分泌されます。快楽物質といわれるドーパミンが分泌されることで、強い幸福感に包まれるのです。
またドーパミンは「褒める側」にも分泌されます。意識して褒めることで、大脳新皮質が活性化。褒められた相手が喜んでいる姿をみて、それが自分自身の成果のように感じるのです。結果、褒められた側と同じようにドーパミンが分泌されます。
事例紹介~株式会社カヤック 社員同士で褒め合う「スマイル給」導入
株式会社カヤックは、Web制作や企画、運営をメインに行う会社です。同社では、社員同士が褒め合う文化を醸成するために、「スマイル給」と呼ばれる社内制度を設けています。
毎月、褒める対象となる社員が1人割り当てられ、全社員がその社員の「褒めるべきところ」を探します。月末、その1ヶ月間で集められた言葉を「スマイル給」として公開。
実際の給与には反映されないものの、普段あまり関わらない社員とのコミュニケーションが生まれたり、自分の長所を客観的に評価してもらえたりと、組織づくりにおいて好影響を与えているようです。
従業員同士のモチベーションUPに役立つ「PHONE APPLI THANKS」とは?
当社 株式会社PHONE APPLIでは、「PHONE APPLI THANKS」というサービスを提供しています。社員同士が感謝の気持ちを"おくりあう"ツールで、社員のモチベーション向上に役立ちます。
【PHONE APPLI THANKSの特長】
- 日々で感じた感謝や賞賛をメッセージにして送り合える
- やりとりがオープンに表示されるため社員の活躍を把握しやすい
- メッセージカードに「いいね」を押すことができる
同ツールによって社員それぞれの様子が見えるようになり、認め合う組織風土を育むことができます。社員の働くことに対する幸福度が高まり、組織の健康経営にも良い影響を与えるでしょう。
サンクスカードをお手軽に導入しませんか?
「PHONE APPLI THANKS」は感謝や称賛を"おくりあい"組織のパフォーマンスを向上させるサービスです。日々の業務の中で感じた感謝や称賛をカードにして"おくりあう"ことで、認め合う組織風土を育むことができます。こうした風土が社員間の心理的安全性や、働くことに対する幸福度を高め、組織の健康経営にも寄与します。
【まとめ】褒めることで会社が得られる効果とは
本記事では、褒める効果について、次のポイントを中心にお伝えしました。
- 褒めることは、社員にモチベーションや生産性アップ、社内コミュニケーション円滑化につながる
- 気づいたらその場で褒める、成果よりも「努力や過程」を褒める方が効果的
- Youメッセージ、Iメッセージ、Weメッセージについて理解しておく
- 自分のきまぐれで褒めたり、相手の観察せずに無闇やたらに褒めるのはNG
褒めることは、本人のモチベーション向上はもちろん、チームや会社全体にも良い影響を与えます。そのためには、まずは部下の努力や姿勢、本人の性格をしっかりと見ながら、「褒める」を意識してみてはいかがでしょうか。