傾聴力の意味|傾聴に必要なスキルと技術6つと傾聴力が必要な理由4つ
傾聴力の意味
傾聴力の意味についてですが、「傾聴」というのはそもそも「人の話に耳を傾けること・人を話題に専念して聴くこと」などを指し、「傾聴力」というのはその「傾聴」の意味合いに実力・能力の意味を付けることにより、「人の話を聴ける実力」のことを指します。
これはもともとカウンセリングなどで使用されていた医学用語としてありましたが、最近では多くのビジネスシーンでも普通に使われ、分析力などと併用されることがあります。
【参照】傾聴
「きく」には3パターン
これは基本的に日本語の使い方になりますが、「きく」という言葉には大きく分けて3つのパターンがあり、それぞれで微妙に言葉が持つ意味合い・ニュアンスが違ってきます。
一般に多く使われているのは「聞く」という言葉で、これは「自然に耳に入ってきた」といった多くの「きく」の意味合いで使われます。このような言葉のニュアンスが微妙に違う形で使い分けられ、それぞれの場面で適切な日本語を扱うことが求められます。
「聞く」の意味
先述でも少し触れましたが、一般に「きく」という言葉を使う際にはこの「聞く」が最もよく使われています。端的にその言葉の深い意味をたどらず、誰にでもわかる意味合い・ニュアンスで使う場合はこの「聞く」が使われており、その使用範囲は最も広いでしょう。
「音が鳴るのを聞く」、「人の話を聞く」、「心の声を聞く」などと、使用範囲は多岐に渡りますが、意味の確実性を求める場合には、「聞く」以外の言葉が当てられます。
「訊く」の意味
「訊く」という言葉・表記はあまり見慣れない表記になるでしょうが、しかし誰かにモノを尋ねる場合、正直・心の奥底の声を聞こうとする場合には、この「訊く」という字が当てられます。この場合は「疑問」の意味が含まれます。
この「訊く」という言葉は主に尋問する際に使われる表記になり、誰かに物事を尋ねる際に「どうしてもその内容・情報を聞きたい」という気持ちを含む形で、この「訊く」という表記が使われてきました。
「聴く」の意味
今回ご紹介する「傾聴」という言葉にも含まれているこの「聴く」の意味ですが、これは主に「人の話に耳を傾ける」という姿勢を示す場合に使われる言葉であり、特に聞き手は相手の聞き役に徹する「黒子役」のニュアンスが多分に含まれています。
先でもご紹介しましたが、この「傾聴」という言葉はもともと精神カウンセリングで使われていた用語であり、患者の話に耳を傾け、洗いざらいその真意をつかみ取る場合の形容にもなります。
傾聴力が必要な理由4つ
人が会話をするとき、場合によってはその会話で語られない内容が心の中に残っていることがよくあります。
つまり、その場面の状況によって忙しかったり緊張したり、あるいは聞き手の人が聞き役に徹することができず、自分の主張を多くすることによって、その話し手の真意をつかみ損ねる場合が出てきます。
傾聴力はこの場合、「聴き損ねた部分」をフォローするためと、それによって会話の発展を促進するために必要になります。
傾聴力が必要な理由1:信頼関係の構築
先述でもご紹介しましたように、傾聴することによって相手との話題が発展していき、その点では相手の真意を十分くみ取った上での会話が成立することが多くなります。
「自分の話・考えていること」を十分くみ取ってくれる相手をたいていの人は信頼するもので、それによってその後の人間関係にもゆとりと絆といったものが作られていきます。傾聴力にはこの「信頼の蓄積を促進させる効力」が含まれています。
傾聴力が必要な理由2:営業力や交渉力の向上
傾聴力の意味は先述しましたが、この傾聴力をもってビジネス上での発展を期待できる意味合い・展望なども含まれてきます。傾聴力は多くの場面で活用されます。
営業・交渉では主に「相手に自社製品を売り込むための宣伝」が必要であり、そのためには相手との信頼を結ぶ必要が出てきます。この場合でも、相手の話を傾聴力によって受容することで、顧客ニーズをしっかり確認でき、それによって実績を伸ばすこともできます。
傾聴力が必要な理由3:コミュニケーションの失敗を避ける
傾聴力を高めておくことにより、コミュニケーションで失敗することを避けることができます。つまり、自己主張ばかりする人は多くの場面で敬遠されますが、この理由は「相手の話・考え」をよく理解せず、自分の考えだけで突っ走る際にその傾向が表れます。
相手にとっては「だからそのことを今から言おうとしてたのに」などの鬱憤が溜まる結果になりやすいため、この場合でも傾聴力によって相手との絆を深められます。
傾聴力が必要な理由4:人事や管理職にこそ傾聴が必要
人事・管理職というのは基本的に「人に上に立つ器」と呼ばれ、それだけの技量がなければその任に就くことはできません。この場合でも傾聴力が大事とされ、その意味合いでは部下の不満を十分くみ取り、それを企業改革の礎にすることができるためです。
社員・部下の話を十分に聴き取り理解するというのは、まず自己主張を控え、相手の考え・心の声(正直)を知る必要があります。この点で傾聴力は必須となるでしょう。
傾聴力の効果4つ
最近ではこの「傾聴力」がない人が多くいるなどとニュースでもピックアップされており、傾聴力(聴く力)がどれほど大事であるかについて、再度見直されている傾向が出てきました。
これは現代に始まったことではなく、実は以前からずっと言われ続けてきたことでもあり、人の話をきちんと最後まで聴ける能力・その話をしっかり理解できる能力を養うことで、人間関係の円滑をはじめ、ビジネス発展にもつながるとされています。
傾聴力の効果1:相手の考えが理解できる
会話をするとき・ビジネス上の関係を築く場合でも、まず相手の考えを十分理解できなければ交渉は成立しません。会話が成り立たない結果となり、その相手としては「この人と話をしてもムダ」などと、その後の関係を敬遠され兼ねない状況にさえなったりします。
そのような関係を避けるためにも傾聴力を日頃から向上させ、とにかく「相手が何を考えているか」をしっかり吟味し、その意味を追求する姿勢が求められます。
傾聴力の効果2:良好な人間関係が築ける
相手の話をよく聴く姿勢を見に付けておくことにより、たいていの人はその人に対して好印象を持つもので、それによってその後の関係もかなり良好な関係とすることができるでしょう。
傾聴力の必要性はまさに「その後の関係づくり」に最適なものであり、それを通じてビジネス上の発展をはじめ、人脈を広げていくための土台を築くきっかけにする場合が多く見られます。この点でも傾聴力が必要となる意味を、十分考えましょう。
傾聴力の効果3:相手の自己重要感が高まる
傾聴力を高めることによって相手の思考をしっかり受け止めることができ、その点で相手はたいてい「自分はこの人に大事に扱われている」と信じてくれます。つまり、自分の話を大事に確保しようとするその姿勢が、相手にとっては貴重に感じられます。
傾聴力が必要と言う意味は、この「相手の自己評価・重要性を高めるための方法」としても多く使われ、それによってさらに絆を深められる土台を作ることができます。
傾聴力の効果4:現状を俯瞰的に整理し新たな気づきが生まれる
傾聴力を高めておけば、相手が考えていること・期待していることなどが鮮明になるため、その点で「いま必要なこと・すぐに対応すべきこと」なども鮮明になる場合が多くあります。
いろいろな雑事でごった返している場合でも、このように傾聴力を高めて相手からのニーズ(顧客ニーズ)を分析することにより、自分の仕事に優先順位を付けるための環境整理が可能になります。この点も傾聴力を高める意味の重要な点になるでしょう。
傾聴に必要なスキルと技術6つ
先述では「傾聴力の意味」そのものと、「傾聴力がもたらしてくれる多くの利点・特典」などについてご紹介してきました。ここからは「傾聴に必要なスキルと技術6つ」と題し、その傾聴力を身に付けるために必要なスキル・方法などをメインにご紹介していきます。
傾聴力を持つ意味は先述のように、実に多くの場面で役立つ必須のアイテム・スキルとなります。そのためにも、日頃から傾聴力を高めるための準備をしておきましょう。
傾聴に必要なスキルと技術1:態度と姿勢
まず相手とする際の態度・姿勢についてですが、これは「聴くことに徹する姿勢」を取る上で、自己主張をなるべく避けるようにしましょう。この点で大事なことは、相手の会話にかぶせて自己主張をしないことで、これがなかなかできない人が多く見られます。
話を聴くうちにどうしても「そのことに対する意見をその時点で言わなきゃ」と焦り、そこで自己主張をします。この姿勢を改め、後でまとめて意見交換するようにしましょう。
傾聴に必要なスキルと技術2:位置関係への配慮
たとえば相手が上司であったりお得意さんであったり、また親友や恩師であったりする場合、その会話中で自己主張を頻繁にすることは無礼に当たります。これは社会人としてのマナーになり、この基本的なマナーさえ守れないようでは良好な関係はできません。
まずは相手と自分の位置関係・立場に配慮しておき、「どちらが相手の意見を十分聴くべきか」を確認しましょう。傾聴力を高める意味は、立場の確認にもつながります。
傾聴に必要なスキルと技術3:ペーシング
「ペーシング」という言葉の意味は、英語の「pace」に中心的な意味があり、基本的には「相手の話し方・姿勢・息継ぎの仕方などを含め、すべて相手の調子に合わせて会話すること」を指します。
声の大きさ・調子・音程の幅や高低などをすべて含め、相手に会話のリズム・歩調を合わせて会話することによって、その相手の心にゆとりを持たせる意味で役立ちます。傾聴力を高めることは、相手に歩調を合わせる意味にもつながります。
【参照】ペーシング
傾聴に必要なスキルと技術4:ミラーリング
次に「ミラーリング」という言葉の意味ですが、この言葉の中心的な意味合いは「ペーシング」の意味とほぼ同じで、「相手のポーズ・仕種・態度を適応してまねる形で相手に歩調を合わせ、相手の心に余裕を持たせ、信頼性を高めること」を指します。
「まねる」と言ってもその意味は「相手の表情や態度に適応する姿勢を持つこと」になり、わざとらしく合わせるのではなく、相手の快適を図った上での対応になります。
【参照】ミラーリング
傾聴に必要なスキルと技術5:バックトラッキング
次は「バックトラッキング」ですが、この言葉のそもそもの意味は「動物が、それまで自分の来た道をそっくり折り返し戻り、ある地点で別の方向へ逃げる」といった逃走を図る方法を指す意味や、単に「オウム返し」のように相手の言葉をまねる意味でも使われます。
傾聴力を高める意味合いで使われる「バックトラッキング」の意味は、先述と同じく「相手の心の姿勢に合わせて対応し、相手にゆとりを持たせること」を指します。
【参照】バックトラッキング
傾聴に必要なスキルと技術6:理解の確認
傾聴力を高める際に最も大事なことは、相手の話すこと・考えていることを正確に理解することで、そのための確認を最終的に相手から得ておくことが必須となります。
これは普通の会話でも必要となるスキルですが、特にビジネス上でのやり取りとなると連絡確認・意思疎通が必須となります。
傾聴力を高める際には必ず最後に「こういうことですね」という形で、その理解が正解かどうか確認してもらうようにしましょう。
傾聴力の意味を理解しよう
いかがでしたか。今回は「傾聴力の意味|傾聴に必要なスキルと技術6つと傾聴力が必要な理由4つ」と題して、「傾聴力の意味・傾聴に必要なスキルと技術」についての詳細情報をはじめ、その傾聴力が必要な理由や場面などについてご紹介しました。
傾聴力を高める際に必要なことは、相手の考えていることを理解することであり、そのための確認をしっかり行える環境設定・スキルの向上を会得することになるでしょう。
【事例】株式会社PHONE APPLIの「1on1ミーティング」
上司と部下の信頼関係をつくる毎週30分の1on1ミーティングを実施
自社開発した「リモート1on1」ツールを用い、マネージャーとメンバーで毎週30分、1on1を実施しています。メンバーは1on1開始直前に、ツール上で現在の体調・仕事量・モチベーションを回答し、今回の1on1で話したい話題のカテゴリーを選択します。これらの機能により、マネージャーはメンバーの状態を把握し、より1on1を有効活用することができます。またリアルタイムでマネージャーとメンバーの発話量もグラフ表示されるため、マネージャーはより傾聴を意識して1on1を行うことが可能です。基本的に上司と部下の発話量が「30%:70%」になるようなルールを設けています
また、1on1の専用ブースもあります。ブースは防音仕様になっているため、ほかの雑音を気にせず対話の質を高めることができています。
他にも「ウェルビーイング経営」の一環として以下も実施しております。
- 部署を横断した健康経営推進プロジェクト「Wellnessアンバサダー」を発足
- 「ウォーキングイベント」を毎月開催
- 「オンライン宅トレ」を毎日お昼時間に開催
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- 組織の幸福度を測定するアセスメントサービス「Well-being Company Score」の活用
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