1on1のメリット・デメリットは?1on1を成功させるコツと導入事例も紹介
「社員のやる気を引き出すのに"1on1"が効果的だと知った」
「具体的に1on1にはどのようなメリットがあるのかを知りたい」
「あらかじめメリットやデメリットを押さえた上で1on1を導入したい」
マネジメント施策として「1on1ミーティング」を導入する企業が増えています。しかし、導入を検討しているものの「具体的にどんなメリットがあるのだろうか?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、1on1ミーティングについて、以下のポイントを中心にお伝えします。
ぜひ本記事の内容を、自社の1on1ミーティング導入にお役立てください。
1on1を導入するメリット6つ
1. 上司と部下の信頼関係を強化しやすい
1つ目は「信頼関係を強化しやすい」ということです。定期的に対話を行うことで、上司と部下の距離が縮まり、コミュニケーションが活性化します。今まで気を遣って相談できなかった部下も、これまでよりも少し気軽に話しかけられるようになるでしょう。
お互いの信頼関係が作られることで、部下のメンタルや仕事に対する姿勢など、ちょっとした違和感にもいち早く気付けるようになります。
2. 部下の自発的な成長を促す
2つ目は「部下の自発的な成長を促す」です。1on1では仕事に限らずさまざまな悩みをヒアリングし、解決する方法をともに解決していきます。
1回ごとに課題を振り返ることで、部下自らが問題点に気づいて自発的に課題をクリアしようとする環境を与えられます。結果として、部下の成長を促すことに繋がります。
また、部下本人の長所や短所もこれまでよりもわかるようになるため、良いところを活かした働き方につなげる事が可能です。部下が得意なことを作業として割り当てられるため、成長スピードも早くなります。
3. 部下のモチベーションが向上する
3つ目は「部下のモチベーション向上」です。1on1がうまく進むと、部下は自分の意見や提案をいいやすくなり、それが待遇や評価に反映されればモチベーション向上につながります。社員のモチベーション向上はチームの生産性向上、最終的には企業利益にもつながります。
4. 部下に対する理解度が向上する
4つ目は「部下への理解度が上がる」です。1on1を行うことで、普段の仕事では気付けない部下の性格や趣味、健康状態などが分かるため、部下に対する理解度が向上します。
部下を理解していないと、的外れな指示を出しすれ違いが起こりやすくなります。そのようなミスを、未然に防ぐことが可能です。
5. チーム全体の生産性が上がりやすい
5つ目は「チーム全体の生産性向上」です。1on1では部下1人ひとりと細かく話すため、プロジェクトの具体的な進捗や社内の人間関係などが見えてきます。
チームとしての課題や改善点にもいち早く気付けるため、対策も打ちやすくなるでしょう。また、上司と部下の信頼関係が作られるようになります。1on1によって全員が働きやすくなれば、結果的にチーム全体の生産性も高まっていくでしょう。
6. 社員の離職率低下につながる
6つ目は「社員の離職率低下につながる」です。先ほどからお伝えしていますが、1on1では仕事だけでなく、プライベートな悩みを聞く場面もあります。
さまざまな悩みを聞き、一緒に解決策を探すことで、上司と部下の信頼関係が作られていきます。部下自身が「何でも話せる状態」になれば、チームに愛着がわき帰属意識も高まりやすくなるでしょう。
また、部下が抱えている悩みや課題を上司がいち早く察知できれば、「いきなり退職」を防ぐことも可能です。
1on1を導入するデメリット3つ
1on1には多くのメリットがある反面、もちろんデメリットもあります。特に次の3つのデメリットは、押さえておくとよいでしょう。
- 上司・部下の工数が必要になる
- 効果が数値に現れにくい
- 上司や部下に心理的な負担が増える場合もある
1. 上司・部下の工数が必要になる
1つ目は工数の問題です。1on1は基本的に部下全員と、そこそこの頻度で行うことになります。効果が出るまでに時間もかかるため、上司と部下お互いに工数が必要になります。
多くの部下をもつ上司の場合、1on1に工数を使いすぎるあまり、自分のリソースがなくなってしまわないよう注意しましょう。
2. 効果が数値に現れにくい
2つ目は、効果が数値として現れにくいことです。1on1は、売上やコストとは異なり、効果が定量的に見えにくいものです。上司自身が「効果がある」と思っても、客観的に評価できるかといえば難しいといえるでしょう。
そのため最初から「効果がわかりにくいもの」として理解した上で1on1と向き合う、あるいは1on1支援ツールなどを使ってみるのがオススメです。
3. 上司や部下に心理的な負担が増える場合もある
3つ目は、上司と部下に心理的な負担がかかることです。
たとえば上司の場合、「部下を立派に育成しなければならない」というプレッシャーがかかります。部下だと、「上司と対面で話さなければならない」「そもそも話すことがない」など、1on1そのものに苦痛を感じる人もいます。
1on1は義務ではないので、上司と部下お互いの状況を踏まえつつ、「本当に必要か」を考えてからスケジュールを立てましょう。必要ないと判断すれば、その日は1on1を行わないのがベターです。
1on1を成功させる具体的なコツ5つ
せっかく1on1を導入するのなら、社内に根付かせて、チーム、企業全体の生産性アップにつなげたいのではないでしょうか。そこで、1on1を成功させるための「5つのコツ」をお伝えします。
- 実施する目的を社内で共有する
- 実施回数・時間を守り実行する
- タイマーやホワイトボードなどの道具を活用する
- 話す側は傾聴を意識する
- 終盤には全体を振り返る時間を設ける
まずは目的の共有です。何も言わずにいきなり導入すると、部下は「余計なタスクが増えた」と感じる方も一定数出てしまうため、「なぜ1on1ミーティングを行うのか」という目的は最低限伝えましょう。実施回数や時間のスケジュール決めも大切です。あらかじめ決めておくことで、1回ごとにスケジュールを立てる手間が省けますし、その時間を事前にブロックしやすくなります。
1on1を実施する際は、タイマーやホワイトボードなどの「道具」の活用がオススメ。話した内容をその都度まとめることで、1on1の内容にもメリハリがつきます。また1on1中は、ボディランゲージを使う、相手の目を見て話を聞くなど「傾聴」を意識しましょう。
ミーティング終了の5〜10分前になったら、これまでの話を振り返ってまとめます。次回までのアクションを決めるのもオススメです。そうすることで、頭の中で要点が整理され、1on1に対する本人のモチベーションも上がりやすくなります。
【コラム】1on1がマイナスイメージを持たれる理由とは?
会社からすると、1on1は実施してみたい施策の1つだと思います。しかし、社員からは「そんなのやっても意味がない」と思われている可能性があるので注意が必要です。
ではなぜ、部下が1on1に対してマイナスイメージを持たれるのでしょうか。その理由として、以下が考えられます。
- 1on1の目的が伝わっていない
- 1on1の優先度が低い
- 話すことがない、話したくない
部下からすると「なんで1on1なんか実施するのだろう?」と思うものです。理由もなく上司と1対1で話そうといわれても、警戒してしまいます。
そのようなマイナスイメージを払拭するためには、やはり「目的をしっかりと共有する」「スケジュールを決めて習慣化する」などのルールが重要です。いざ実施すると決めたら、一人ひとりの課題を解決できるよう、上司はしっかりと部下の話に耳を傾けられるようにしましょう。
【事例】株式会社PHONE APPLIの「1on1ミーティング」
上司と部下の信頼関係をつくる毎週30分の1on1ミーティングを実施
自社開発した「リモート1on1」ツールを用い、マネージャーとメンバーで毎週30分、1on1を実施しています。メンバーは1on1開始直前に、ツール上で現在の体調・仕事量・モチベーションを回答し、今回の1on1で話したい話題のカテゴリーを選択します。これらの機能により、マネージャーはメンバーの状態を把握し、より1on1を有効活用することができます。またリアルタイムでマネージャーとメンバーの発話量もグラフ表示されるため、マネージャーはより傾聴を意識して1on1を行うことが可能です。基本的に上司と部下の発話量が「30%:70%」になるようなルールを設けています
また、1on1の専用ブースもあります。ブースは防音仕様になっているため、ほかの雑音を気にせず対話の質を高めることができています。
他にも「ウェルビーイング経営」の一環として以下も実施しております。
- 部署を横断した健康経営推進プロジェクト「Wellnessアンバサダー」を発足
- 「ウォーキングイベント」を毎月開催
- 「オンライン宅トレ」を毎日お昼時間に開催
- 従業員間で感謝や称賛を"贈りあう"「PHONE APPLI THANKS」の活用
- 組織の幸福度を測定するアセスメントサービス「Well-being Company Score」の活用
- 自然を感じられる開放感のあるオフィス
- コアタイムなしのフレックスタイム制
さまざまな方法で、社員が幸せに働けるための施策を取り入れています
【まとめ】1on1について
本記事では、1on1ミーティングのメリットについて以下のポイントを中心にお伝えしました。
- 1on1には、上司と部下の信頼関係の強化、部下の成長の促進、離職率の低下などのメリットがある
- 反対に、実施するためには工数が必要、効果の数値化が難しい、上司と部下の心理的負担が大きくなりやすいなどのデメリットもある
- 1on1を成功させるためには、目的共有、スケジュール決め、傾聴、振り返りが大切
1on1には多くのメリットがありますが、反対にデメリットもあるので、両方をしっかりと理解した上で導入しましょう。そして1on1を社内に根付かせ、チームや会社全体の生産性を高めるためにも、ぜひ本記事の内容をお役立てください。