モチベーションを上げるのに役立つ1on1ミーティングとは?1on1で期待できる効果や正しい活用方法を紹介
「社員のモチベーションを上げる"1on1"について知りたい」
「聞いたことはあるものの、1on1がどのような面談なのか詳しくはわからない」
「1on1の効果や活用方法について詳しく知りたい」
社内コミュニケーション活性化に有効だといわれる、1on1ミーティング。その名のとおり「ミーティング」ではあるものの、一般的な会議や面談のイメージとは異なります。1on1ミーティングならではの特徴があるのです。
そこで本記事では、1on1ミーティングについて、以下のポイントを中心にお伝えします。
ぜひ本記事の内容を、社員のモチベーション向上のためにお役立てください。
1on1とは?人事面談や評価面談との違い
そもそも1on1ミーティングとは、どういったものなのでしょう。人事面談や評価面談との違いについてお伝えします。
1on1は面談ではなく対話
1on1ミーティングとは、その名に表されるとおり、上司と部下が1対1でおこなうミーティングです。面談のような堅苦しい形式ではなく「対話形式」となります。テーマはキャリアや日々の仕事内容、体調、悩みなど話題は多岐に渡ります。また15〜30分の短い時間、かつ毎月、毎週、毎日と高頻度で行うのが特徴です。
人事面談や評価面談との違い
面談や面接と聞くと堅苦しいイメージがありますが、前述のとおり1on1は「対話形式」です。人事面談のように上司から部下に一方的なコミュニケーションではなく、お互いに自分のことをオープンに話すことで、信頼関係の構築につなげます。
1on1で期待できる効果4つ
上司と部下の「対話」を特徴とする1on1ミーティングですが、次のような効果が期待できます。
- 部下との信頼関係を構築できる
- 部下のモチベーションが上がる
- 社員一人ひとりが抱える悩みに気づきやすくなる
- 自責思考が身に付く
1. 部下との信頼関係を構築できる
1つ目は信頼関係の構築です。昨今、「優秀な部下がいきなり退職」というケースが増えているといわれ、そのひとつの理由に「コミュニケーション不足」があります。
日頃からコミュニケーションが取れていないがゆえに、部下が上司に相談できず、悩みを一人で抱え込んでしまうのです。1on1はこうしたコミュニケーション不足を解消し、お互いの信頼関係を築く場として活用できます。
2. 部下のモチベーションが上がる
2つ目は部下のモチベーション向上です。1on1によって上司と部下に信頼関係が生まれれば、お互いに意見をいえるようになります。部下の意見が反映されると、「自分が認められた」という気持ちになり、それによってモチベーションが高まるので、部下自身の生産性アップにもつながるでしょう。
3. 社員一人ひとりが抱える悩みに気づきやすくなる
3つ目は部下の悩みに気づきやすくなることです。1on1を行なっていれば、部下が日頃から何を考えているのか、どのようなモチベーションで仕事に取り組んでいるのか、などを知ることができます。
1on1でヒアリングを繰り返すことで、ただ仕事をしているだけでは分からない、「本当の悩み」にも気づきやすくなるのです。いち早く悩みに気づければ、すぐにフォローに入ることができます。
4. 自責思考が身に付きやすい
4つ目は、上司と部下お互いに自責思考が身に付きやすいことです。日常的なコミュニケーションによって信頼関係が築かれていれば、何かミスがあったときに「自分に責任があったのでは」と考えるようになります。
上司に自責の癖がつけば、それを察知した部下も「〇〇さん(上司)のためにも、次は失敗しないようにしよう」と考えるようになるでしょう。お互いに自責の念を持つことで、さらに信頼関係は高まっていきます。
1on1導入時に注意するポイント4つ
1on1ミーティングの効果についてお伝えしましたが、決して良いところだけではありません。反対にデメリットも存在するので、特に次の4つは注意しておきましょう。
- 上司は育成スキルと会話スキルが求められる
- 具体的な効果が数値として現れにくい
- 上司が聞きたいことを一方的に聞かない
- 終了時に次回までの課題をお互いに共有する
1. 上司は育成スキルと会話スキルが求められる
1つ目は上司にスキルが求められることです。
1on1は、ただ雑談すれば良い訳ではなく、部下の話を引き出すヒアリング力、部下に心を開いてもらえる信頼感などが必要です。もちろん上司自身の仕事への向き合い方、マネジメント能力も必要となってきます。
上司のスキル次第で部下の成長が左右されるため、上司自身も勉強し、実践し続ける姿勢を持つことが大切です。
2. 具体的な効果が数値として現れにくい
2つ目は、効果が数値として現れにくいことです。
1on1は対話によって問題を解決するミーティングですので、成果を数値化するのが難しいです。無理にレポートや評価シートを作ると、業務が複雑化してしまうことに加えて、部下も1on1ミーティングが苦痛になる場合もあります。
そのため「そもそも数値化できないものだ」という認識をもち、具体的な結果を追いすぎず、しっかりと対話することが大切です。どうしても数値化したい場合は、1on1支援ツールがあるので、それを導入してみても良いでしょう。
3. 上司が聞きたいことを一方的に聞かない
3つ目は、上司が聞きたいことを一方的に聞かないことです。
1on1は上司のための施策ではなく、あくまで「部下のための時間」となります。「部下の悩みを聞かなければ」という気持ちもわかりますが、それで質問攻めするのは逆効果です。
「本当に話したいことが話せなかった」「これが毎回続くのは苦痛」と思う部下も出てくるでしょう。上司が一方的になれば、部下のモチベーションも下がってしまいます。
1on1を有意義にするためにも、基本的には部下がアジェンダを持ち込み、上司は聞き役に徹するようにしましょう。必要に応じてアドバイスをするのがベターです。
4. 終了時に次回までの課題をお互いに共有する
4つ目は、次回までの課題を共有することです。
1on1はただの雑談ではなく、あくまで「課題や悩みを解決するための手段」です。
そのため終了間際になったら、次回までにどうするかをお互いに共有します。
何が課題なのか、それを解決するには何をすべきかを明確にし、1on1ミーティングを有意義なものにしましょう。
1on1を成功させる具体的なコツ5つ
せっかく1on1を導入するのなら、社内に根付かせて、チームや企業全体の生産性アップにつなげたいのではないでしょうか。そこで、1on1を成功させるための「コツ」をいくつかお伝えします。特に次の5つは要チェックです。
- 実施する目的を社内で共有する
- 実施回数・時間を守り実行する
- タイマーやホワイトボードなどの道具を活用する
- 話す側は傾聴を意識する
- 終盤には全体を振り返る時間を設ける
1. 実施する目的を社内で共有する
1つ目は、目的の共有です。なぜ1on1ミーティングを行うのか、1on1を実施することで会社としてどうしたいのかなどを、きちんと部下に伝えましょう。
理由がないと、部下は「ただ1on1という余計なタスクが増えた」と感じる方も出てきてしまいます。1on1は社員、チーム、会社全体にとって意義のあるものだということを、最初に伝えることが大切です。
2. 実施回数・時間を守り実行する
2つ目はスケジュールを決めることです。1on1ミーティングは、定期的かつ継続的な実施が大切です。そのため、導入前に「毎月〇日の〇時から30分」など一定のスケジュールを立てておきましょう。
あらかじめ決めておくことで、1回ごとにスケジュールを立てる手間が省けます。もちろん出席を義務付けるものではないので、部下の状態を見ながら、リスケジュールの対応も必要となります。そういう場合に備えて、早めに日程を教えてもらうなど工夫をしましょう。
3. タイマーやホワイトボードなどの道具を活用する
3つ目は道具の活用です。1on1は対話ですが「雑談」ではないため、あらかじめ決めたテーマやアジェンダをもとに進めましょう。
内容にメリハリをつけるためにも、タイマーや情報を整理するためのホワイトボードなど道具の活用がオススメです。
4. 話す側は傾聴を意識する
4つ目のコツは「傾聴」です。1on1は部下をサポートする場でもあるため、まずはしっかりと部下の話に耳を傾け、共感することが大切です。
傾聴力を高める方法として、ボディランゲージを使う、相手の目を見て話を聞くなどがあげられます。傾聴を通して、「あなたの話に興味がありますよ」「一緒に協力して解決しましょう」という姿勢を見せましょう。
5. 終盤には全体を振り返る時間を設ける
5つ目は、ミーティングの終盤に全体を振り返ることです。ミーティング終了の5〜10分前になったら、これまでの話を振り返ってまとめましょう。次回までのアクションを決めるのもオススメです。振り返りとアクションを決めることで、頭の中で要点が整理され、お互いにとって意味のある1on1の時間になります。
【事例】株式会社PHONE APPLIの「1on1ミーティング」
上司と部下の信頼関係をつくる毎週30分の1on1ミーティングを実施
自社開発した「リモート1on1」ツールを用い、マネージャーとメンバーで毎週30分、1on1を実施しています。メンバーは1on1開始直前に、ツール上で現在の体調・仕事量・モチベーションを回答し、今回の1on1で話したい話題のカテゴリーを選択します。これらの機能により、マネージャーはメンバーの状態を把握し、より1on1を有効活用することができます。またリアルタイムでマネージャーとメンバーの発話量もグラフ表示されるため、マネージャーはより傾聴を意識して1on1を行うことが可能です。基本的に上司と部下の発話量が「30%:70%」になるようなルールを設けています
また、1on1の専用ブースもあります。ブースは防音仕様になっているため、ほかの雑音を気にせず対話の質を高めることができています。
他にも「ウェルビーイング経営」の一環として以下も実施しております。
- 部署を横断した健康経営推進プロジェクト「Wellnessアンバサダー」を発足
- 「ウォーキングイベント」を毎月開催
- 「オンライン宅トレ」を毎日お昼時間に開催
- 従業員間で感謝や称賛を"贈りあう"「PHONE APPLI THANKS」の活用
- 組織の幸福度を測定するアセスメントサービス「Well-being Company Score」の活用
- 自然を感じられる開放感のあるオフィス
- コアタイムなしのフレックスタイム制
さまざまな方法で、社員が幸せに働けるための施策を取り入れています
【まとめ】1on1について
本記事では、1on1ミーティングについて以下のポイントを中心にお伝えしました。
- 1on1は、面談のような堅苦しい形式ではなく「対話形式」で行うもの
- 15〜30分程度の短い時間、かつ月1回、週1回、毎日など高頻度で行うのが特徴
- 1on1には、お互いの信頼関係の構築、部下のモチベーション向上などの効果がある
- 上司に会話スキルが求められる、成果の数値化が難しいなどの注意点もある
- 1on1を成功させるには、目的の共有、スケジュール決め、ヒアリング、振り返りが大切
1on1ミーティングには、社員のモチベーション向上をはじめ様々な効果やメリットがあります。ただし、闇雲に1on1を実施しても効果は期待できません。何よりも大切なのは、部下の悩みに耳を傾け、何でも話せるという「信頼関係」を作ることです。土台である信頼関係がしっかりしていれば、おのずとチームワークも良くなっていくでしょう。
本記事を参考にして、1on1ミーティングの導入にお役立てください。