導入事例
Mipox株式会社
研磨フィルムから液体研磨剤、研磨装置など幅広い研磨材を提供しているMipox(マイポックス)。グループ全体でも約500人規模の会社でありながら、国内に9カ所、海外に20カ所を超える多くの拠点を持つことが特徴だ。代表取締役社長の渡邉 淳氏は「国内外に拠点が多く、様々な国の人もいますから、顔を突き合わせて話をすることは現実的ではありません。ITの活用が重要なポイントであり、Salesforce.comをワンプラットフォームとして社内のコミュニケーションを推進するようにしました」と語る。その1つのアプリケーションが「PhoneAppli for Salesforce」で、社内外の連絡先をクラウドで一括管理する仕組みを導入している(関連記事:シンプルかつ効率的なコミュニケーションを)。
国も違う多拠点が連携してビジネスを進めるとき、実際にSalesforceをプラットフォームとしたコミュニケーションは効率的で有効だった。コミュニケーションが「バーチャルにならざるをえない」(渡邉氏)のも仕方ない。ITを活用したコミュニケーションでは記録が残るメリットもある。しかし、渡邉氏は少し疑問を感じ始めた。「Salesforceで仕事が済むようになると、どこかギスギスした雰囲気が出てきたように感じました。バーチャルは大事だけれど、これではいけない。そこで、『これからはリアルのコミュニケーションを大切にしよう』というメッセージを発信しました」。
とはいっても、拠点は国内外に散らばり、実際に出張して会うのは時間もコストも割に合わない。工場の現場担当者はそう簡単に持ち場を離れられない事情もある。そこで、フェースツーフェースでコミュニケーションできるビデオ会議システムなどのツールの導入を検討した。ITを使って「リアルなコミュニケーション」をサポートしようという考え方だ。
とはいっても、拠点は国内外に散らばり、実際に出張して会うのは時間もコストも割に合わない。工場の現場担当者はそう簡単に持ち場を離れられない事情もある。そこで、フェースツーフェースでコミュニケーションできるビデオ会議システムなどのツールの導入を検討した。ITを使って「リアルなコミュニケーション」をサポートしようという考え方だ。
Mipoxではリアルなコミュニケーションの活性化を求めて、いくつかのコラボレーションツールを検討し、まずマイクロソフトの大画面コラボレーションデバイス「Microsoft Surface Hub」を導入した。電子ホワイトボードを使ったグラフィックレコード、資料投影などの機能で、目線の高さに設置した大型ディスプレイを中心とした半径数メートルのコラボレーションは活発になり、オープンなディスカッションを中心に利用されている。一方で、組み込みのWeb会議の利用は限定的になっていた。その理由は、誰かの報告を一方的に聞くようなケースでは、問題なく利用できるが、議論が始まり双方向で会話をするようになると、相手との間のタイムラグが気になり始めたからだ。特に画面を共有した時の影響が顕著で、「こちらが話しかけてから、2秒ぐらい経って反応するような状況がストレスに感じられました。いちばん大事な『リアル』の部分が再現しきれなかったのです」(渡邉氏)。だんだんと、ビデオは映すものの音声は切ってしまって、電話でタイムラグの少ない会話をするような中途半端な使い方になっていった。
そうしたとき、Phone AppliからシスコシステムズのWeb会議「Cisco WebEx」(以下、WebEx)の提案があった。もともと、シスコ製品は高額というイメージがあり、当初の検討では落選していたのだ。ところが、実際にデモや利用シーンを見学すると、クオリテ
ィの高さや臨場感、そしてストレスの少ないコミュニケーションに感銘を受けた。「ビデオ会議には無料のものからシスコのような高額なものまであります。WebExを実際に使ってストレスのないコミュニケーションが実現できることを実体験し、これなら高くないと納得できました」(渡邉氏)。こうしてWebExは、落選から見事な復活を遂げることになった。パソコンやスマートフォンなどから自由にビデオ会議も含めたコラボレーションができるWebExを導入すると同時に、Mipoxでは、WebExと連携できるコラボレーションサービス「Cisco Spark」に対応したビデオ会議システム MX800なども導入した。本社などの主要拠点は大画面のビデオ会議システムから、自席や出先などにいる社員はパソコンなどの機器を使って会議に参加できる。 2017年7月、リアルコミュニケーションを推進するIT側の準備は整った。 WebExは、すぐに現場に浸透した。Mipoxでは「営業は新宿の本社、山梨工場で一次製品を作り、マレーシアや中国の拠点で二次加工を行う」といった業務連携が多い。品質の打ち合わせなどを多拠点で行うことは日常茶飯事だ。「これまでストレスが溜まるITツールを使っていたので、『WebExが使えるよ』とアナウンスしたらパッと新しいツールに乗り換えて使うようになりました」(渡邉氏)。
取材に山梨からWebExで参加してくれたIT戦略室室長の千野 大和氏は「テレワークなどをしていても、WebExは通信環境の影響を受けにくく安定して使えます。ITチームなので、画面の共有が多いのですが、スムーズに使えて助かっています」とストレスの少な
さを現場から裏打ちする。会議の開始も、自分の会議室のURLを知らせるだけ。参加者がURLにアクセスするだけで会議につながるので、会議を始めるまでのストレスもない。誰もが気楽に使えるリアルなコミュニケーション環境が、ITのお陰で手に入ったのだ。
WebExの利用のためのアカウントは、社員が申請してから提供する形をとる。同社ではITツールの利用にこんなポリシーを適用している。「プラットフォームとなるSalesforce、メール&予定表以外のITツールは、基本的に使いたい人が申請する形態です。アカウントをばらまいてしまうと、よくわからず持っているだけという人が多く出てしまいます。自分で使いたいと思って申請すれば、使い続けますよね」と渡邉氏はいたずらっぽく笑う。「約500人のグループ社員のうち、2017年8月末時点で100人以上がWebExのアカウントを持っていますが、これは申請をベースにしたアクティブな主催者アカウントの数です。業務上パソコンを貸与していない社員もいること、参加のみはアカウント不要を周知していることを考えると、会議をWebExで行う文化は、早くも定着しつつあると感じています」(千野氏)。同社で社内SNSとして標準的に使っているSalesforceの「Chatter」には、導入2カ月ほどでありながら「WebEx」の文字が数多く並ぶ。「WebExで共有しました」「WebEx便利ですね!」「次回もWebExでお願いします!」といった感想が並ぶ。。社員がコミュニケーションをしようとしたときに、「WebExで」という共通言語が活性化していれば、自然とWebExの利用が広がっていく。使っていて便利そうな姿を見れば、自分もアカウントを申請しようというモチベーションにもつながる。こうしてみると、順調に導入と利用が進んでいるように見えるが、その裏には社長の渡邉氏をはじめとした社内のインフルエンサーの努力がある。渡邉氏は、「私がITツール好きなこともあり、社員側に『また新しい
ものが増えたな』といったちょっとした抵抗を感じることはあります。でもそのまま使わなくなったらもったいない。社長や管理職の側から、使っている場面をChatterでシェアしたり、品質の良さをアピールしたり、何かしら働きかけ続けることで、ようやく使ってもらえるのだと思います」と言う。ITツールは、どんなによくできていても、ただ置いてあるだけでは社員は使ってくれないのだ。 「私がケチなんでしょう」と渡邉氏は続ける。導入したら、その効果が得られるまで手を変え品を変え、使わせ続けるように仕向ける。いろいろなところに「小さな火」を付け続けることで、最終的に大きな火を付けることができるというのだ。千野氏は、「今はまだ主催アカウントが100人超えたところですが、立場や役割を問わず、拠点や国をまたいで自発的に会議を立ち上げる社員がもっと増え、業務がスムーズに進むようになったらうれしいですね」とWebEx経由でつながるビデオ会議システム(MX800)の大画面の向こうから微笑む。その姿は、確かにそこにリアルに存在する人のイメージに近い。 渡邉氏は1つのエピソードを紹介してくれた。「WebExを導入してから、私に新聞の取材の依頼があったことがありました。しかし、その日は福山の工場にいました。普通なら取材は受けられないのですが、記者に新宿の本社に来てもらい、私は福山の工場からWebExで取材に対応することができました。場所を問わずに働けるためのベースになるツールであることを、改めて実感しました」。ITツールを活用して"リアルな"コミュニケーションを広げる試みは、着々と同社に定着しているのだ。
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